『レ・ミゼラブル』など名作の宝庫…『リリーのすべて』製作スタジオに注目
第88回アカデミー賞において「主演男優賞」(エディ・レッドメイン)ほか4部門にノミネートされ、アリシア・ヴィキャンデルが接戦といわれた「助演女優賞」を制した『リリーのすべて』。本作を製作したのは、イギリス・ロンドンを拠点とする映画
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1983年に設立され、現在はティム・ビーヴァン&エリック・フェルナーが共同代表を務める「ワーキング・タイトル」は、これまで100を超える作品を世に送り出し、全世界でトータル50億ドル以上もの興行成績を誇っている。映画が始まってすぐのオープニングクレジットで、そのロゴを目にしたことのある人も多いはずだ。
エディ・レッドメインが「主演男優賞」を受賞した『博士と彼女のセオリー』、本作を手がけたトム・フーパー監督の『レ・ミゼラブル』、アリシアの初めての英語作品『アンナ・カレーニナ』から、ジョー・ライト監督×キーラ・ナイトレイの『つぐない』、ティム・ロビンスが監督を務めた『デッドマン・ウォーキング』、コーエン兄弟の『ファーゴ』、シェカール・カプール監督×ケイト・ブランシェットの『エリザベス』『エリザベス:ゴールデン・エイジ』まで、実に11本のオスカー像を獲得。38回の英国アカデミー賞のほか、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭などで数々の賞を獲得してきている。
また、賞レースで名前の挙がる作品だけではなく、『ブリジット・ジョーンズの日記』や『ラブ・アクチュアリー』『ノッティングヒルの恋人』など、世界中で愛されヒットを記録したラブストーリーを中心にエンターテイメント作品も数多い。
そんなワーキング・タイトルが次に送り出すのが、世界で初めての性別適合手術を受けた女性の実話を元に、1組のカップルが織り成す鮮烈な愛の物語となる『リリーのすべて』。かつてないほどにトランスジェンダーを受け入れる傾向になりつつある昨今、本作はまだその言葉や概念すらなかった時代を呼び起こす。
『博士と彼女のセオリー』でオスカーを獲得したエディは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断されたスティーヴン・ホーキング博士を演じたときと同様、本作においても特殊メイクに頼らず役作りに全身全霊を捧げていたという。「エディは驚くほど澄みわたった純粋な心の持ち主だ」と語るのは、フーパー監督。「彼が最も気にかけていたのは、リリーの感情の遍歴だった。それを彼が労力と時間をかけて追究した結果、リリーの外見的な要素もおのずと後からついてきた。全ては内面からあふれ出た努力の結晶だ」と、エディの役作りの神髄に触れている。
トランスジェンダーの女性の心の揺れ動きを描いた作品として、また真実の愛の物語として、『リリーのすべて』もワーキング・タイトルの歴史にその名を刻むことになる。
『リリーのすべて』は3月18日(金)より全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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