カンヌ主演男優賞受賞の社会派ドラマ『ティエリー・トグルドーの憂鬱』公開決定
2015年「カンヌ国際映画祭」にて主演男優賞(ヴァンサン・ランドン)を受賞し、フランスで100万人動員の大ヒットとなった社会派ドラマ『La Loi du Marche』が、邦題『ティエリー・トグルドーの憂鬱』として8月27日(土)より日本公開されることが決まった。
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ティエリーは、50歳を越え、エンジニア一筋で働いていた会社から集団解雇された。当初はストライキを起こしてでも闘うと仲間に息巻いていたが、結局、会社を辞め職安に通うことに。頑固な彼はいまさら、就職面接を受けても上手く対応することができない。就職訓練の場でも、年の離れた若者からその頑なさを容赦なく指摘されて、面目をなくす。そんな彼の唯一の救いは、妻と身体障碍を抱えた息子の存在。家族と過ごすときは、世間の厳しさを忘れることができた。
やがて、スーパーの警備員の仕事に就くことができたティエリー。希望していたエンジニアの仕事ではないが、そんなことは言っていられない。しかし、彼は新たな職場で、買い物客だけでなく自分の同僚たちまで不正をしていないかを監視し、発見した場合には告発しなければならないことを知る。ある日、告発によって、従業員の1人が自殺、彼は会社側の対応に疑問を覚えるが――。
年老いた母と息子の最期の日々の交流を描いた感動作『母の身終い』のステファヌ・ブリゼ監督と、フランスを代表する名優ヴァンサン・ランドンが再び組んだ本作。自らのプライドと社会のしがらみの中で板挟みになり、やがて現実のために身を落としてゆく中年男に扮し、重厚な演技で観る者を魅了したランドンは、フランス「セザール賞」でも主演男優賞を受賞した。
このたび解禁されたポスターも、そんなランドンのどこか重苦しい雰囲気と、家族を抱えながら板挟みになる“憂鬱”をまさにそのまま閉じ込めたようなビジュアルとなっており、彼の視線がいったい何を捉えているのか、その佇まいに思わず引き込まれてしまう雰囲気を放っている。
ドキュメンタリーのような、淡々とした冷徹なカメラの元、圧倒的存在感を焼き付ける彼の演技は、昨年のカンヌで批評家の絶賛を受け、主演男優賞を受賞するとともにブリゼ監督もエキュメニカル審査委員賞を獲得している。
現代を生きる人に投げかける社会派人間ドラマを、ぜひ楽しみにしていて。
『ティエリー・トグルドーの憂鬱』は8月27日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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