将来に期待!世界の天才子役たち…『歌声にのった少年』『ジャングル・ブック』ほか
『ルーム』でアカデミー賞に輝いたブリー・ラーソンの息子役を演じ、来日時にも大きな注目を集めたカナダ出身のジェイコブ・トンブレイ。さらに、この8月から9月にかけて、“天才子役”と呼ぶにふさわしい新星俳優たちの映画が続々と公開される。
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■『歌声にのった少年』“スター歌手になって世界を変える”
紛争の絶えないパレスチナ・ガザ地区で暮らしていたムハンマド。少年時代の彼は、仲良しの姉ヌールと2人の友だちとバンドを組み、拾ったガラクタで楽器を作り、街中で歌っていた。そんな矢先、ヌールは重い病に倒れて亡くなってしまう。姉という希望をなくし、青年になっても失意の中にいたムハンマド。だが、彼は周囲の励ましを受け、姉との約束を守るため、“ガザの壁”を超えてオーディション番組に出場することを決意する…。
まず、9月24日(土)より公開される『歌声にのった少年』は、『パラダイス・ナウ』『オマールの壁』でアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたハニ・アブ・アサド監督の最新作。全米の人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」のエジプト版、「アラブ・アイドル」に出場し、見事2013年の“アラブ・アイドル”に輝いたムハンマド・アッサーフの実話に基づいたサクセス・ストーリーだ。
ムハンマドの少年時代を演じたのはカイス・アタッラー、姉ヌール役にはヒバ・アタッラー、そして友人2人を演じたのは、実際にガザ地区で暮らす少年少女たち。ガザ全域の学校で行われたオーディションで選ばれた4人は、映画初出演ながら自然体の見事な演技を披露する。そんな彼らを、ハニ監督も「私が知っている世界中のどんな子どもとも違う。恐れを知らない。彼らはほかの子どもよりずっと大人だ。その賢さにも驚いた」と大絶賛。厳しい現実を生きながらも、映画の中でキラリと光る素晴らしい演技を見せるガザの子役たちに要注目。
■『ジャングル・ブック』“ジャングルは僕が守る”
ジャングルにひとり取り残された人間の赤ん坊、モーグリ。死を待つだけの幼き命を救った黒ヒョウのバギーラは、モーグリを母オオカミのラクシャに託す。バギーラから自然の厳しさと生き抜くための知恵を教わり、ラクシャから惜しみない愛を注がれ、モーグリは幸せだった。人間への復讐心に燃える恐ろしいトラのシア・カーンが現れるまでは…。「人間は、ジャングルの敵だ!」シア・カーンの言うように、人間であるモーグリはジャングルの“脅威”なのか? それとも、ジャングルに光をもたらす“希望”なのか? そして、モーグリを守ろうとするジャングルの仲間たちの運命は…?
公開中の『ジャングル・ブック』で、主人公の少年モーグリを演じるのは、オーディションで2,000人の中から選ばれたという12歳のニール・セディ。そのモーグリ以外、ジャングルの木々も、動物たちもすべてCGという撮影手法で話題を呼んでいるが、彼はまるで実際のジャングルにいるかのような、躍動感あふれる演技を披露している。
■『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』“父親を戦争から取り戻すために”
第二次世界大戦下、カリフォルニア州の小さな漁村。8歳の少年ペッパー・バズビーは町の誰よりも背が低く“リトル・ボーイ”とからかわれていた。数少ない楽しみは、唯一の“相棒”である父親と空想に浸りながら冒険遊びをすること。しかし、そんな父親が戦場へと駆り出されてしまう。心の支えである父親の不在に絶望するペッパーだったが、何とかして戦場から呼び戻そうと、ペッパーの“父親奪還大作戦”が始まる。そんなある日、ペッパーの目の前に、収容所から釈放された日系人・ハシモトが現れる。敵意むき出しでハシモトの家を訪れ、窓ガラスを割ってしまったペッパーは教会で司祭に呼び出され、ペッパーがよい行いをするよう「ハシモトに親切を」と付け加えたリストを渡される。翌日から、ペッパーはリスト1つ1つを埋めようと、ハシモトと交流を始めるのだが…。
8月27日(土)より公開中の『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』の主人公ペッパーを演じたのは、2003年生まれの新鋭ジェイコブ・サルヴァーティ。オーディションを受けにきた兄弟の付き添いだった彼が監督の目にとまり、選ばれたという。ほぼ演技は未経験ながら、信念を貫き努力をいとわないペッパー少年のひたむきな姿を熱演する。
■『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』“夢を届けるやさしい巨人とともに”
ロンドンに暮らす、好奇心旺盛な10歳の少女ソフィー。ある真夜中、彼女は窓から侵入した“巨大な手”によってベッドから毛布ごと持ち上げられ、“巨人の国”に連れ去られてしまう。ソフィーを連れて行ったのは、夜ごと子どもたちに“夢”を送り届ける、やさしい巨人BFG(=ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)だった。ひとりぼっちだったソフィーは、孤独なBGFと心を通わせ、いつしか2人の間には身長差6メートルの“奇妙な絆”が生まれてゆく。しかし、BGFとは正反対の凶暴な巨人たちによる恐るべき計画が…。このままではイギリスの子どもたちが危ない。この危機を救う唯一の鍵は、何事も恐れない小さな少女ソフィーの勇気だった…。
9月17日(土)公開の『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』は、スティーブン・スピルバーグが『E.T』以来、34年ぶりにファンタジー映画の監督をしたことでも話題。本作でひとりぼっちの少女ソフィーを熱演したのは、オーディションでスピルバーグの目にとまり、女優歴わずか2年あまりでスクリーンの主役へと駆け上がった、イングランド出身の“奇跡の新人”女優のルビー・バーンヒル。マーク・ライランス扮するBFGとのコンビぶりは見逃せない。
まさに天才子役が活躍する映画が続く今年、瑞々しい新たな才能に注目だ。
《シネマカフェ編集部》
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