【予告編】ディズニー・アニメが自閉症の少年と家族の希望に…『ぼくと魔法の言葉たち』
先日、第89回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた『ぼくと魔法の言葉たち』(原題:Life,Animated)。その待望の予告編映像が解禁となった。
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
サスカインド家の次男オーウェンは、3歳を前に言葉を失い、7歳になるころまで誰ともコミュニケーションを取れなくなっていた。彼は自閉症スペクトラムと診断される。ある日、父のロンはオーウェンが発する意味をなさないモゴモゴとした言葉が、オーウェンが毎日擦り切れるほど観ていたディズニーのアニメ-ション映画『リトル・マーメイド』に登場するセリフだと気づく。意を決した父は、彼が大好きなキャラクターである『アラジン』のオウムのイアーゴになりきって、身を隠して語りかける。「どんな気分?」
すると、まるで魔法のように、オーウェンが言葉を返した。「僕はハッピーじゃない。僕には友だちがいないから」。5年ぶりの息子の言葉にこみ上げる涙をこらえながら、イアーゴとして会話を続ける父。こうして、父と母、そして兄による、ディズニー・アニメを通じた“オーウェンを取り戻す”ための作戦が始まった――。
自閉症スペクトラムと診断された少年オーウェンが、ディズニー・アニメから言葉を学び、周囲の人々とのかかわりを理解し、家族のサポートのもとコミュニケーションと自尊感情を取り戻していった奇跡のドキュメンタリー。
サンダンス映画祭2016では、アカデミー賞監督であるロジャー・ロス・ウィリアムズが監督賞に選ばれ、先日発表された本年度アカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞にノミネート、2度目の受賞が期待されている。また、“アニメ界のアカデミー賞”アニー賞では特別業績賞を受賞した。
届いた予告編は、「ごく普通の男の子がいました…」というナレーションとともに素朴なタッチのアニメーションから幕を開ける。その声の主は、ほかならぬオーウェン自身。さらに、2歳ごろのオーウェンが父ロンとピーターパンごっこする姿がとらえられ、やがて両親の言葉が重なっていく。「ディズニー映画が息子を変えるかも」――。
そして盛り込まれるのは、現在のオーウェンの姿。笑顔に満ち、大勢の前でスピーチをしたり、犬と遊んだり、自立した生活を送っている様子が垣間見られる。「いまも未来を探している」と語る彼と、彼を支え続けた家族の姿には、たくさんの勇気と希望が詰まっている。
『ぼくと魔法の言葉たち』は4月上旬、シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開。
《シネマカフェ編集部》
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