【インタビュー】“海に選ばれた少女”モアナは、アリエルと仲良くなれる? 名コンビ監督が解説
ディズニー・アニメーション最新作『モアナと伝説の海』を手がけた監督コンビ、ジョン・マスカー&ロン・クレメンツが来日し、取材に応じた…
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映画はポリネシアの島々で語り継がれる神秘的な伝説をモチーフに、“海に選ばれた少女”モアナが葛藤しながら、自分の進むべき道を見出す感動ファンタジー。「以前からオセアニア地域の文化に興味があったし、海を個性あふれる1つのキャラクターとして描きたかったんだ」(マスカー監督)、「その通り。3週間の現地リサーチで出会ったポリネシアの人々が抱く海への敬意は、大いにインスピレーションを与えてくれたんだ」(クレメンツ監督)。
そんな大海原を駆けるヒロインが、冒険心あふれる16歳の少女モアナだ。彼女は海への強い憧れを抱く一方で、村長である父親から、後継ぎとして島のリーダーになることを期待されている。また、若き日の父親が経験した辛い出来事も、モアナと海を遠ざける一因だ。父親がモアナに対して「お前は女の子なんだから」とは言わない点は、似たような家族環境を描いた最近のディズニー作品『メリダとおそろしの森』とは大きく異なっている。
「確かにモアナが女性である事実は、物語上の設定でしかない。彼女は愛する家族と人々が暮らす島を担う、次世代のリーダーとして、葛藤をしているんだ。その点はとても現代的で、進歩だと思う。実はシナリオの初期段階では、もう少し性別にまつわるテーマを描いていたが、物語を練り上げる過程で、それは本質的な問題じゃないと気づいたんだ。伝えたいのは、あくまで自分の居場所を見出す苦労と大切さだからね」(マスカー監督)
“自分の居場所を見出す”というメッセージは、主題歌「How Far I'll Go」にも深く刻まれている。手がけたのは現在、ミュージカル界に旋風を巻き起こしているソングライターのリン=マニュエル・ミランダだ。「共同作業を重んじ、献身的に取り組んでくれた。初期のバージョンはモアナの逃避願望が強かったんだけど、より彼女の責任感や葛藤を盛り込んでくれたおかげで、深いテーマ性をもった楽曲に仕上げてくれたよ」(クレメンツ監督)
ちなみに『リトル・マーメイド』の主人公アリエルは、モアナと同じ16歳。もしも、海の中で出会ったら、仲良くなれそう? 「あははっ、責任感が強いモアナに比べると、アリエルは未熟で反抗的かもしれないな」(マスカー監督)、「衝動的なアリエルのせいで、モアナがトラブルに巻き込まれたりね(笑)。そうしたら、アリエルにお説教さ。そういう意味ではケンカしつつ仲がいい姉妹みたいな関係になれるかもしれないね」(クレメンツ監督)
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