【特別映像】日本人監督が描くスラムの少女と盲目のギタリストの出会い…『ブランカとギター弾き』
日本人として初めて、ヴェネツィア・ビエンナーレ&ヴェネツィア国際映画祭の全額出資を得た長谷井宏紀監督が、フィリピンの街角を舞台に撮影し、世界中の映画祭で高い評価を得た『ブランカとギター弾き』。このほど、俳優の浅野忠信も
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舞台は、カラフルでエネルギーにあふれたフィリピンの首都マニラのスラム街。“お母さんをお金で買う”ことを思いついた孤児のブランカは、ある日、盲目のギター弾き・ピーターと出会う。ブランカはピーターから、得意な歌でお金を稼ぐことを教わり、2人はレストランで歌う仕事を得る。ブランカの計画は順調に運ぶように見えたが、一方で、彼女の身には思いもよらぬ危険が迫っていた…。
Youtubeの歌姫として国内外で人気を集めていたブランカ役のサイデル・ガブデロは演技初挑戦ながら、美しい歌声と演技力で観る者を強く惹きつける。彼女に生きる術を教える盲目のギター弾きには、実際に生涯を通してフィリピンの街角で流しの音楽家として活躍していたピーター・ミラリ。そのほか、出演者のほとんどは路上でキャスティングされている。劇中、演奏される、スペインをルーツにした素朴で温かいフィリピン民謡「カリノサ」は、「お母さんはいくらで買えるの?」という孤児の少女と盲目のギター弾きの“幸せを探す旅”を彩っていく。
このたび届いた本編映像は、そんな2人の物語がまさに動き出す、出会いのシーン。ブランカはどこからともなく聞こえるギターの音色を耳にし、その音がするもとへ駆け寄る。その音色を奏でているのは、盲目のギター弾き・ピーター。彼の奏でる優しい音色に、思わず笑みがこぼれるブランカは、ピーターが路上でギターを弾き、お金を稼いでいることを目の当たりにし、ピーターの目が見えないことを確かめようと近づいていく。ピーターはその気配に気がつき、「何してるんだい? この辺の子かい?」と声をかける。驚いたブランカは思わず走ってその場を立ち去ってしまうのだった――。
本作の監督を務めた長谷井監督は、短編『LUHA SA DESYERTO』の撮影中に、マニラのキアポ協会の地下道でギターを弾いていたピーターと出会いを果たしたという。まさに本シーンのブランカとピーターのように、ギターの音色に導かれ、出会い、本作が生まれることになった。
ギターの音に導かれて出会った2人の出会いは、まさに物語が動き始める重要なシーン。また、その後に続く予告映像では、長谷井監督と長年親交があり、本作に「涙が止まらなかった」と明かしている浅野さんがナレーションを務めている。
『ブランカとギター弾き』は7月29日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開。
《シネマカフェ編集部》
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