本作の主人公は、ナチスの戦犯を祖父に持ち、家族の罪と向き合うためにホロコーストの研究に人生を捧げるトトと、ナチスの犠牲者となった祖母を持ち、やはりホロコーストの研究に青春を捧げるユダヤ人のザジ。スタートは真逆だが、同じ目標に向かう2人が、自分たちのルーツを探す旅を通して人生を再発見する希望の物語。
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本作でトトが務めるホロコースト研究所のマスコット的存在が、ブサカワ犬の“ガンジーだ。研究所のノルクス教授の愛犬で、研究所の職員からも可愛がられている。突然の発作で急死をしてしまったノルクス教授の代わりに、妻が獣医でもある研究員のトト(ラース・アイディンガー)が彼の世話を引き受けることに。もちろん、インターンとして研究所にやってくるザジ(アデル・エネル)のお迎えにもガンジーを連れていく。
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映像では、空港で出会った2人のかみ合わないやりとりも笑いを誘う。「私ならこの子を安楽死させる」とザジ。「ガンジーを?」と驚くトトに、「父は“ドイツの犬は安楽死だ”と。特にヒトラーの犬はね。なんだっけ…」「シェパード」「それ、シェパードは安楽死させろと」と、ザジはガンジーを目の前にして早速、独自の思想を語り出すのだった…。
トトを演じるのは、『パーソナル・ショッパー』などオリヴィエ・アサイヤス監督作品で知られるラース・アイディンガー。ザジに扮するのは、ダルデンヌ兄弟監督の『午後8時の訪問者』も話題を呼んだ、セザール賞2度の受賞を誇る最旬女優アデル・エネル。
この2人のなりゆきをいつも困った顔をして見つめるガンジーは、本作でどのような役割を担っているのか、期待していて!
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『ブルーム・オブ・イエスタディ』は9月30日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。