「やすらぎの郷」がシニア層をはじめ、幅広い層の支持を集めた同局の帯ドラマ劇場の枠の第2弾として大石静を脚本に迎え、黒柳さんの両親、および徹子の怒涛の半生を連ドラ化。昼の12時からの「徹子の部屋」の後に同作が放送されることになる。
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この日は、原案の黒柳さんをはじめ、徹子役の主演・清野さんに、幼少期の徹子を演じる豊嶋さん、徹子の母・朝(ちょう)役の松下奈緒、父・守綱役の山本耕史ほか、小澤征悦、高岡早紀、八木亜希子、竹中直人、脚本の大石静という豪華なメンバーが顔をそろえたが、彼ら以上に異彩を放っていたのは、同局の坪井直樹アナウンサーをアシスタントに従えて、司会を担当した黒柳さんのアンドロイド・TOTTOの存在。顔の造詣はもちろん、体格も等身大の黒柳さんで、「徹子の部屋」の42年分の会話データを元に黒柳さんの声で会話をする。
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黒柳さん、清野さんの衣装(※黒柳さんが過去に実際に着用したものでドラマでも使用)を見て「きれいね」と語ったり、黒柳さん、清野さんと共にタマネギ頭で登場した豊嶋さんに「あなたもタマネギ頭なの?」と言ったりと大活躍! 間の待ち時間に、坪井アナに対し「あなた、何かできないの?」とムチャぶりをし、自身の番組を説明する坪井アナに「私、アンドロイドだから(わかんない)」と言うところなど、本人以上の黒柳さんっぷりを見せて、会場を笑いに包んでいた。
主演の清野さんは、黒柳さんを演じることについて「聞いたときは、信じられなくて、事実を飲み込むのに時間かかりました。お会いして、衣装合わせして、タマネギのかつらを合わせてやっと『私、黒柳徹子さんを演じるんだな』って思いました」とふり返る。「徹子さんが、TVの画面を通じて届けている楽しさを私もこのドラマで伝えたい」と意気込みを語った。
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本作の見どころは、徹子の半生に加え、駆け落ち同然に結婚した徹子の両親の守綱と朝の恋が描かれる点。バイオリニストで芸術家肌な亭主関白・守綱の家長像は、現代的な理想の父親・夫とは一線を画しており、山本さんの演技と併せて注目を集めそう。
山本さんは「セリフで『朝も僕のことを愛しているだろう?』と(松下さんに)聞いて、『はい』と答えた朝に『だろう?』って言うのがあるんです。なかなか言えない(笑)。カッコいいと思いますし、男らしさを毎日、学ばせてもらっています。『こうでありたい!』と思えるものが増えています」と本作を通じて男に磨きをかけているよう?
ドラマでは、守綱は一流のバイオリニストでありながら、戦争で満州に送られることになるが「いまなら『君は僕がいなくなったら別の男と幸せになりなさい』と言うのが優しさですが、守綱は『君は僕がいなくなったら、誰とも恋をするなよ』と自信を持って言うんです。それはそれでしびれます。愛情の深さが、演じてて気持ちいです」と充実した表情を見せていた。
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帯ドラマ劇場「トットちゃん」はテレビ朝日で10月2日(月)より放送開始(月から金/昼12時半~)。