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衝撃走った安室奈美恵の引退宣言…海外スターの引退事情は?

先週、世間を驚かせた安室奈美恵の突然の引退発表。アーティストとして脂の乗り切った時点でスポットライトから身を引く決断に、1年後の引退を惜しむ声は後を絶たない。

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グレース・ケリー&キャメロン・ディアス&アンジェリーナ・ジョリー&ダニエル・デイ=ルイス-(C)Getty Images
グレース・ケリー&キャメロン・ディアス&アンジェリーナ・ジョリー&ダニエル・デイ=ルイス-(C)Getty Images 全 19 枚
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先週、世間を驚かせた安室奈美恵の突然の引退発表。アーティストとして脂の乗り切った時点でスポットライトから身を引く決断に、1年後の引退を惜しむ声は後を絶たない。

昔から日本ではきっぱり引退を宣言する芸能人が多いが、海外では一線から身を引く場合も「引退」と言い切るスターはほとんどいない。ハリウッドを中心にし海外の引退事情は少し違う。

■セレブとして活躍しつつ俳優業は引退


結婚を機に完全引退した稀な例はグレース・ケリー。ヒッチコック映画のクール・ビューティとしてキャリアの絶頂期にあった彼女は1955年にカンヌ国際映画祭でモナコ公国のレーニエ3世と知り合い、翌年に結婚した。ロイヤルファミリーの一員でありながら女優を続けることは、当時はあり得ない選択だった。だが時代は変わるもので、次女のステファニー王女は1986年、21歳のときに歌手デビューしている。

グレース・ケリー-(C)Getty Images
グレースとヒッチコック監督の『泥棒成金』で共演したケーリー・グラントも、1967年『歩け走るな!』を最後に62歳で引退を宣言。誕生したばかりの娘の成長を見守りたいという理由だったが、同時に、スクリーンから完全に姿を消したことで、ロマンティックコメディの主演スターというイメージは崩れることなく、古き良きハリウッドのレジェンドとなった。

ケーリー・グラント-(C)Getty Images
Netflixで配信中の監督最新作『最初に父が殺された』が来年の第90回アカデミー賞外国語映画賞部門にカンボジア代表作として出品されたアンジェリーナ・ジョリーも、2014年に「今後1、2本映画に出演した後は監督業に専念したい」と語った。確かに、その後の出演作は監督前作で、夫のブラッド・ピットと共演した『白い帽子の女』のみ。ただ、9月には『マレフィセント』続編に出演することが明らかになった。

アンジェリーナ・ジョリー-(C)Getty Images

■引退ではなく“一時休業宣言”がハリウッドの主流


クリス・エヴァンス&レオナルド・ディカプリオ&クロエ・グレース・モレッツ-(C)Getty Images
2015年、16年に「ハリウッドで最もコスパの良い俳優」(Forbes調べ)に選ばれたクリス・エヴァンスは2014年にキャプテン・アメリカ役の契約終了後は監督業に重点を置くとほのめかし、俳優引退かと報じられたが、本人はあくまでも一時的なものだと否定。

レオナルド・ディカプリオも大作主演が続いた後、「長い休暇を取ることにした」と2013年にドイツのBild紙に語って「引退か?」と大騒ぎになったが、その後まもなく『レヴェナント 蘇りし者』の撮影に入った。同作を提げた2016年のゴールデン・グローブ賞授賞式のレッドカーペットでも「何年も大変な仕事が続いたけど、これでそれも終わる」と発言、またしても大騒ぎになったが、これもメディアの早合点だった。

クロエ・グレース・モレッツも昨年9月、「自分を見つめ直したい」と予定していたすべての映画出演をキャンセルしたが、これも「スローダウンしてもいいって気づいたから」という「Hollywood Reporter」誌上の本人コメントの通り、あくまでも休業だ。

■はっきり表明せず、スクリーンから遠ざかるケース


キャメロン・ディアス&トビー・マグワイア -(C) Getty Images
若い頃から大活躍してきたスターたちはアラフォーを迎えると、一旦歩みを止めたくなるようだ。

キャメロン・ディアスは2014年の『ANNIE/アニー』を最後に女優業から遠ざかっている。今年6月、友人のグウィネス・パルトロウが開催したイベントで、グウィネスの司会のもと、ミランダ・カーやニコール・リッチーらと座談会に参加したキャメロンは20年以上演じ続けてきて「自分が誰なのかわからなく」なり、本来の自分を取り戻そうと感じたことが、休業の理由だと明かした。

トビー・マグワイアも近年はプロデューサー業中心で、映画出演は2014年の『完全なるチェックメイト』が最後。

■老境を迎えて一線を退く


ショーン・コネリー&ジーン・ハックマン&アラン・ドロン-&-(C)Getty Images
2003年以降は映画に出演せず、06年にアメリカ映画協会生涯功労賞を贈られたときに「隠居は楽しすぎる」と引退表明してみせたのはショーン・コネリー。87歳のいまもゴルフを楽しみ、8月に全米オープン・テニスの試合観戦に現れた際は喝采で会場に迎えられた。ジーン・ハックマンも2004年『ムースポート』出演を最後に引退を宣言した。ハリウッド・スターではないが、フランスを代表する映画スター、アラン・ドロンも2017年5月に81歳で引退を宣言。パトリス・ルコント監督で最後の映画を撮り、来年公開すると発表した。

今年4月に還暦を迎えたダニエル・デイ=ルイスは、6月に俳優引退を宣言した。12月にポール・トーマス・アンダーソン監督の主演作『Phantom Thread』(原題)の公開を控えての突然の発表だが、彼は過去にも引退を宣言してイタリアで靴職人の修業に励んだことがあり、数年後にはまた復帰しているのでは? と見る向きも多い。

加齢による衰えから身を引く場合は覚悟も固いだろうが、そうでもなければ決断するのは難しい。若くして成功を収めたのなら、それが彼ら彼女らにとっての天職。「一時休業」という形で選択肢を残したくなるのだろう。

本当に全てやりつくした達成感から、潔く引退を宣言できるのは、本当にごくわずかの選ばれし者だけなのではないだろうか。

《冨永由紀》

好きな場所は映画館 冨永由紀

東京都生まれ。幼稚園の頃に映画館で「ロバと王女」やバスター・キートンを見て、映画が好きになり、学生時代に映画祭で通訳アルバイトをきっかけに映画雑誌編集部に入り、その後フリーランスでライター業に。雑誌やウェブ媒体で作品紹介、インタビュー、コラムを執筆。/ 執筆協力「日本映画作品大事典」三省堂 など。

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