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『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で第81回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、TVシリーズ「パーソン・オブ・インタレスト」「Empire 成功の代償」などのタラジ・P・ヘンソンが主演を務める本作。
届いた映像では、1960年代、アメリカが国の威信をかけて挑む一大プロジェクトである有人宇宙飛行(マーキュリー計画)ロケットの打ち上げが数週間後に近づく中、日々変わっていく情報をリアルタイムで受け取ることができず、まったく仕事がはかどらない主人公キャサリンが、ついに限界を迎え、重要な会議への出席を直談判する場面。
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当時のアメリカは有色人種差別や女性蔑視がまだまだ色濃く、コンピューターの未発達な時代に緻密で欠かせない計算を、“手計算”で一手に担っていたキャサリンでさえも重要な会議への参加は叶わなかった。いよいよ打ち上げに間に合わなくなりそうな焦りから、キャサリンは同僚のポール(ジム・パーソンズ)と言い争いになるが、通りかかったのは、“非効率的な仕事は許すまじ”という本部長ハリソン(ケビン・コスナー)。
彼は、「私が適任者です」というキャサリンの主張を聞き入れ、「ここでルールを決めるのは誰だ?」と、ボスらしい男前発言で会議への出席を図ったことで事態は一変。ポールは本部長の言うことを渋い顔で聞き入れ、キャサリンは「本部長です、責任者らしい行動を!」と勢いあまってしまい、慌てて敬語を付け足すお茶目な表情が見られ、彼らのいびつな関係性と、黒人女性たちが置かれている環境の厳しさがうかがえるシーンとなっている。
本部長ハリソンに扮したのは、“アメリカの良心を表現する男を演じれば、右に出る者はいない”、と言っても過言ではない名優ケビン・コスナー。彼が演じたハリソンはキャサリンの強い味方となり、あるシーンでは差別をも跳ね返す行動に出るが、ケビンは「本当に勇ましいヒーローはこの女性たちの方で、彼はただ、『もうたくさんだ』と言っているだけ」とコメント。「当の女性たちには壊せなくても、彼にはそれを壊す力があっただけなんだ」と語っている。
また、共演したタラジについては「本当にすばらしい女優で、この映画にぴったりだった。監督も彼女を強く信じていたし、私にもその理由がよくわかるよ。最初から私たちはお互いを信頼していたし、彼女は労をいとわなかったね」と賛辞を送っている。
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一方のタラジも、ケビンとの共演について「私は、彼が役に繊細な部分をもたらしていて、とてもびっくりしたの。時には、そのシーンに集中するように自分に言い聞かせなければならなかったぐらい。彼の演技に圧倒されていたから」と、その存在感の大きさをふり返っている。
キャサリンの悲痛な叫びを聞き入れたハリソンだが、この英断によって、無事に有人宇宙飛行は成功へとつながるのか? この後に待ち受ける爽快な感動を、スクリーンで目撃してみて。
『ドリーム』はTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中。