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本作は1980年から2010年にわたる激動の韓国現代史を背景に、国家という巨大ピラミッドに蔓延する理不尽なパワハラや、大統領選挙の裏で活発化するスリリングな駆け引きを実話さながらに描きあげたスタイリッシュなクライム・エンターテインメント。
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『観相師』で韓国900万人動員を果たしたハン・ジェリム監督が、歴代の大統領選の裏に蠢く金と権力のために動いた検事たちの物語は、情報操作やイメージ戦略、時にはヤクザさえも利用し、まさに悪のバイブルかのごとく政治の非道さを描き出した。
チョン・ウソン、本作の魅力はシナリオと監督
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本作で8年ぶりのスクリーン復帰となるチョ・インソンは、平凡な公務員検事を目指しながら、1%の成功者に上りつめるため地滑りのように堕ちていく若き検事の、苦悩と葛藤を見事に演じきった。今回解禁となった映像の中で、「痛快で愉快 それでいて陳腐にならないように」と語り、撮影現場でも時に弾け、時に苦悩する姿をみせる。
さらに絶対的成功者の検事部長役を演じたチョン・ウソンは、「シナリオの魅力 そして監督」と本作の魅力を断言。韓国映画にかかせない名バイプレーヤーで、本作で権力に絶対服従する先輩検事を演じたぺ・ソンウも「過去最高に面白い台本」と絶賛する。
「鑑賞後に社会の問題点や現実を見つめる映画にしたかった」と監督
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これを受けて、自ら脚本も執筆したハン・ジェリム監督は「シナリオを書きながら政治部、検察、記者、警察関連の本を洗いました。映画的な仕掛けを通して、観客が鑑賞後に社会の問題点や現実を見つめる、そんな映画にしたかった」と、その思いを熱く語る。
また、70年代に使われていた古いレンズとそれに似たアネモルフィックレンズも使い、時代感を出すなど、撮影、ロケーション、美術などの徹底ぶりには「時空旅行をする気分」(チョ・インソン)、「現実を風刺するために極大化された要素」(チョン・ウソン)と俳優陣たちも納得の様子だ。
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「純粋に王になりたい男の話でもある」とハン・ジェリム監督が語る本作は、赤裸々に権力の不条理を訴え、大衆から絶大な支持と共感を得て、“韓国のゴールデン・グローブ賞”と呼ばれる「第53回百想芸術大賞」では新人男優賞(リュ・ジュンヨル)など2部門を受賞するなど韓国映画賞レースを席巻。まさに“やられたら、やり返す!”の男たちの闘いの行方を、劇場で確かめてみてほしい。
『ザ・キング』は3月10日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開。