【独女のたわごとvol.43】一糸まとわぬ潔さ 『娼年』が見せる、愛と成長の人間ドラマ

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『娼年』(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会  
『娼年』(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会   全 9 枚 拡大写真
こんばんは、古山エリーです。アラフォー独身女子との会話でよく出てくるのは、もしかするとこのまま一人で生きていくかもしれないので、そのためにどうしたらいいのかという相談と四十路のボディケア事情です。

先日も、女は脱ぐ機会が減ると太るし、むだ毛の処理をしなくなる、そういう意味でも恋人は必要だという話になり、その流れから今年こそ美容皮膚科で脱毛したいなぁと(今さらな気もしますが……)悩み中です。今宵もたわごと、お付き合いくださいませ。

脱げる女になる前に恋の相手を見つけなくてはならないのですが、みんなどこで出会っているの? 周りに婚活事情を聞いてみると、揃って言うのがマッチングアプリでした。えーっ! 怖くないの? サクラはいないの? 聞いてみると──上手に利用しいている人が多く、中には交際や結婚に発展している人もいました。

『きみといた2日間』 -(C)  2013 APARTMENT TWO, INC. ALL RIGHTS RESERVED.『きみといた2日間』 -(C) 2013 APARTMENT TWO, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
たしかに、数年前に観た映画『きみといた2日間』もネットで知り合った男女の恋物語で、当時アメリカのカップルの三分の一がネットで知り合っているという事実に驚いたのを覚えています。ここはひとつ私もチャレンジ! どのマッチングアプリがいいのか教えてもらって登録しようと思ったのですが、考え方が古いのでしょうか、やっぱり気が進まず登録すらできませんでした(情けない…)。

自分の理想の男性の条件を入力すると候補者が出てくる(妥協も必要ですが…)。確かに便利です。でも、最初のデートでいろんな情報が分かっているということは、会話の楽しみがなくなるんじゃない? あ、共通の趣味があればいいのか! そんなふうにひとりで悶々としているときに巡り逢ったのは、何とも衝撃的な映画『娼年』でした。大学生のリョウが、女性専用コールクラブで娼夫として生きていく姿を描いた、愛と成長の人間ドラマです。

『娼年』(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会  『娼年』(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会
原作は石田衣良の同名小説で2016年に三浦大輔の演出&松坂桃李の主演で舞台化。チケットは即完売、当日券を求めて長蛇の列ができた作品としても記憶されています。舞台は観ることができなかったので、映画で観られるのは嬉しい! 映像化を待っていた女性、多いと思います。

『娼年』(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会  『娼年』(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会
何が凄いかって、主人公のリョウを演じる松坂さんも相手役の女優さんたちも、一糸まとわぬ姿でセックスシーンに挑んでいることです。その潔さというか、役の向き合い方がまず凄い。恋愛映画でよくあるのが、キスしてベッドに倒れ込むけれど、次のシーンではもうコトを終えていて、胸の辺りまでシーツを纏っているというパターン。それはそれで頭のなかで想像する楽しみもありますが、正直しらけちゃうこともあります。

でも、この『娼年』はそこを全て見せている。全て見せているけれど、決してエロスだけではなく、さらけ出すことによって浮き上がってくる人間の欲望も見せている。とても人間くさい。そして、セックス描写をあれだけ積み重ねているのに、女性たちのタイプも欲望もさまざまであるから見ていて飽きない。観終わった後に、何とも言えない爽快感を抱いたことも新鮮でした。

『娼年』(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会  『娼年』(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会
女性たちの性の欲望を叶えながらリョウ自身も成長していく、何気なく生きていて「女性なんてつまらない」と言っていたリョウが変わっていく。愛のドラマにして青年の成長ドラマ、なかなか奥深い映画でした。女性のみなさん、必見です。(text:Elie Furuyama)

《Elie Furuyama》

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