セレモニー前のレッドカーペットには、千葉真一、菊川怜、中川翔子、叶美香をはじめ、さらに小池百合子東京都知事など、各界の著名人が登場。さらに、2019年に向け「Ladies for Cinema Project」の新設が発表され、木村佳乃が女性たちに熱いメッセージを贈った。
■グランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」はシンガポール作品に!
ジョージ・ルーカス監督の名を冠した本映画祭の最高賞であるグランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」は、シンガポールの実力派監督イーウェイ・チャイの『カトンプールでの最後の日』が受賞。「オフィシャルコンペティション」の3つの優秀賞の中から選出されグランプリとなった本作品は、次年度(2019年)第91回米国アカデミー賞短編部門のノミネート選考対象作品となる。
会場の大きな拍手に包まれながら、グランプリ受賞の感想を問われたチャイ監督は「ありがとう東京! ありがとうSSFF & ASIA! こんなに素敵な賞を頂くことができて、気持ちが圧倒されています!」と興奮した様子で「この作品の力を信じて応援してくれた人々とこの賞を分かち合いたいです」と受賞の喜びをコメント。
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受賞理由については、主人公の少年の素晴らしさが挙げられ、「誰もが1つは持っているだろう子ども時代の淡い思い出を綺麗な色彩と巧みな演出で表現しており、ユニークながら多くの人が共感出来る作品となっている」とのコメントが寄せられた。なお、同作はアジアインターナショナル部門優秀賞/東京都知事賞にも選出された。
■審査委員の三池監督「ショートフィルムの可能性を改めて感じた」
東京都知事賞では小池都知事が「Cinematic Tokyo部門」のプレゼンターとして登場し、受賞作品『東京彗星』の洞内広樹監督へトロフィー授与。
「東京都としても応援しているSSFF & ASIAに、こんなにも多くの方々にお越しいただけ嬉しいです。ノミネートされたショートフィルムはどれも東京を新しい切り口で紹介してくれていましたね」と総評を語り、「東京オリンピック、パラリンピックまで残り768日となり、都も準備を加速させています。スポーツだけに留まらず“伝統”と“革新”という2つのキーワードをもとに東京の文化やアートのメッセージを伝え、記憶に残る大会にしたいと思っています」とコメント。
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「オフィシャルコンペティション」3部門の受賞作品がそれぞれ発表され、会場の熱気が高まる中、公式審査員を務める千葉さん、本仮屋ユイカ、三池崇史監督、モーリー・ロバートソンらが登場。審査委員としての総評を尋ねられた三池監督は「才能とスタッフの技術は本物! ほかの作品もどれも素晴らしく、ショートフィルムの可能性を改めて感じました。監督の勇気、誰しもが本当は感じている本音を、信念を持って表現する、その強さがすごいです。これからも素晴らしい作品を作っていってほしい」と、受賞者たちへの祝福の言葉を述べた。
■森崎ウィンも新設VR 部門のプレゼンターで登場!
今年新設された「VR SHORTS」および「LEXUS VR FILM AWARD」では、現在公開中のスティーヴン・スピルバーグ監督最新作『レディ・プレイヤー1』に唯一の日本人俳優として出演した森崎ウィンが、プレゼンターとして登場。
VR作品についての質問を受けると「俳優の立場からすると、360度気が抜けないですね」と新たな映像技術への率直な感想を述べた。本映画祭代表を務める別所哲也は「どの作品も、どう五感に訴えるかが大事ですが、ストーリーの世界観を360度体験できるVR作品は、自分がどう受け止めるかが重要で、面白い部分だと思います。1人1人への伝わり方が変わりますね」と今後のVR技術とショートフィルムの展開にも期待できるコメントを残した。
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セレモニー中盤では、「SSFF&ASIA」と「和楽器バンド」によるコラボレーションで製作されたショートフィルム『遠い時間、月の明かり』が上映され、主演を務めた本仮屋さん、尚玄が登壇。この作品で一番印象に残った部分について尋ねられた本仮屋さんは、「最後にシャッターを切るシーンですね。その場にいた全員の呼吸が一緒になるのを感じた、思い出のカットです」と答え、「撮影は最高でした! みなさんオープンマインドでポジティブで、明るい現場」と沖縄で行われた撮影について語った。
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「CGアニメーション部門」の審査員を務めた中川さんは「アニメーションは言葉も国境も時も越える文化であり、その発展のさなかにこんな素敵な作品たちがあって、しかもSSFF & ASIAに参加することができてとても光栄でした!」と興奮の面持ち。
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続いて「ノンフィクション部門」では、審査員を務めた菊川さんが「私たちが想像していた以上の現実を観させられました。ショックに感じると同時に、いろんなことを考えさせられましたね」とノンフィクション作品独特の世界観に対する感想を語った。
■木村佳乃、女性映画人支援プロジェクトに意気込み「とても光栄」
セレモニーの最後には、代表の別所さんが21年目の「SSFF&ASIA」に向け、「Ladies for Cinema Project」新設の発表し、プロジェクトに参加する木村佳乃がゲストとして登壇。
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女性映画人の1人として本プロジェクトへの意気込みを問われると「とても光栄です! 20年以上このお仕事をさせていただいていますが、まだまだ女性クルーは少なくて、男性が多いイメージです。たくさんの女性と作品をつくっていきたいです。いまからこのプロジェクトに参加するのが楽しみです!」と世界中で活躍する女性たちに対するメッセージを送った。「Ladies for Cinema Project」は世界中の女性映画人を応援するプロジェクトであり、2019年より本格始動する。
今回の受賞作品を含む約250作品は、「LEXUS MEETS...」や「iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ」など都内8会場にて上映。ショートフィルムにまつわる各イベントも開催され、一部イベントを除き、すべて無料で楽しめる。
【「SSFF&ASIA 2018」受賞作品一覧】
●ジョージ・ルーカス アワード:イーウェイ・チャイ監督『カトンプールでの最後の日』
●インターナショナル部門優秀賞:アンドレーア・ブルーザ監督/マルコ・スコトゥッツィ監督『不思議なヤギ』
●ジャパン部門優秀賞/東京都知事賞:小原正至監督『THE ANCESTOR』
●アジアインターナショナル部門優秀賞/東京都知事賞:イーウェイ・チャイ監督『カトンプールでの最後の日』
●Cinematic Tokyo部門:洞内広樹監督『東京彗星』
●ひかりTVアワード:倉田健次監督『ノヴェラ ピカレスカ』
●学生部門supported by フェローズ:金賢奎監督『COCKROACH』
●VR SHORTS優秀賞:クレモン・レオタール、フィリップ・コラン監督『Kinoscope』
●LEXUS VR FILM AWARD:エマニュエル・ヴォーン=リー、アダム・ロフトン監督 『Sanctuaries of Silence』
●CGアニメーション部門:ジャンナ・ベクマンベトヴァ監督『コトリのさえずり』
●ノンフィクション部門supported by ヤフー株式会社:ラベー・ドスキー監督『Meryem』
●ジョージ・ルーカス アワード:イーウェイ・チャイ監督『カトンプールでの最後の日』
●インターナショナル部門優秀賞:アンドレーア・ブルーザ監督/マルコ・スコトゥッツィ監督『不思議なヤギ』
●ジャパン部門優秀賞/東京都知事賞:小原正至監督『THE ANCESTOR』
●アジアインターナショナル部門優秀賞/東京都知事賞:イーウェイ・チャイ監督『カトンプールでの最後の日』
●Cinematic Tokyo部門:洞内広樹監督『東京彗星』
●ひかりTVアワード:倉田健次監督『ノヴェラ ピカレスカ』
●学生部門supported by フェローズ:金賢奎監督『COCKROACH』
●VR SHORTS優秀賞:クレモン・レオタール、フィリップ・コラン監督『Kinoscope』
●LEXUS VR FILM AWARD:エマニュエル・ヴォーン=リー、アダム・ロフトン監督 『Sanctuaries of Silence』
●CGアニメーション部門:ジャンナ・ベクマンベトヴァ監督『コトリのさえずり』
●ノンフィクション部門supported by ヤフー株式会社:ラベー・ドスキー監督『Meryem』
「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2018」は6月24日(日)まで東京・計8会場にて開催中。