暑いとそれだけで体力を消耗してしまうので、もう少し体力をつけなくては…と、数か月ぶり(間、空きすぎじゃないですか?)にヨガスタジオに行ったのですが、もう、恐ろしいほど体が鈍っていました。足つっちゃいました。
そして、気づかないフリ、見ないフリをしていた下っ腹さんが「アナタ、なかなか危険よ!」とこっちを見ている――そんな妄想スイッチが入ったところで、今宵もたわごとお付き合いくださいませ。
運動はしていないのにお酒はたまに飲みに行きます。先日、ひとりで飲んでいると(相変わらずです…)カウンターに男性が2~3人、隣だったので会話が聞こえてくる。その内容がサイアクでした。
ここ最近のセクハラ&パワハラ問題についての話でしたが、「あれはハニートラップだろ?」「男がかわいそうだ」「昭和の時代は当たり前だったことなのに騒ぎすぎ」とか、もうびっくりです。
お酒の席での雑談だったとしても、男性優位の考え方に少しも疑問を持っていない、会話のなかに男女平等なんてかけらもなかったように思います。女性をなんだと思っているんだ! 腹が立ちました。水をぶっかけてやりたかった(ガマンしましたけど……)。
その後、映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』を見て思ったんです。あのとき、発言すればよかったって。なんでガマンしてしまったんだろうって。

そう、この『バトル~』は1973年に全世界で9000万人を釘付けにしたテニスの試合、女子テニスの世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと、元男子チャンピオンのボビー・リッグスの性差を超えた戦いを描いた映画ですが、その背景には男女平等を訴えた女性たちの戦いも描かれているんです。
1970年代は男女平等を求める運動があちこちで起こっていた時代。テニス界で浮上した問題は、女子の優勝賞金が男子の8分の1であることでした。

その事実に抗議したのがビリー・ジーン・キング。彼女は仲間とともに女子テニス協会を立ち上げ、自分たちでスポンサーを見つけ、ボビー・リッグスとの戦いに挑み、スポーツ界はもちろん政治や社会、学校や家庭における男と女の関係を変えた。
でも、男女平等という言葉があるだけで根本的には40年以上経ったいまも変わっていないのでは…。だからこそ、いまこの時代にこの映画が作られたのかもしれません。
ビリー・ジーン・キングが立ち上がったように、疑問に思うことは考える、考えて声をあげることが必要なのだと、この映画から教えてもらいました。

男と女の関係性も、性の多様性も、どの視点で語るかによって意見が違ってくるのは当然です。とても難しい題材ですが、どんなことも人として、人対人で考えると答えは自然と見えてくる、そんな気がします。今宵はここまで、また次回。(text:Elie Furuyama)