>>『インクレディブル・ファミリー』あらすじ&キャストはこちら
■実写を撮ったからこそ分かる、アニメにしか出来ない演出とは?

全米では、『アナと雪の女王』、『トイ・ストーリー3』を抜き去り全米アニメーション作品史上歴代興行収入No.1を記録し、日本でも“インクレディブル”な大ヒットが期待されている本作。監督を務めたブラッド・バードは実はアニメーションだけでなく、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』や『トゥモローランド』など実写作品でもその手腕を見せている。
アニメーションと実写作品の経験があるからこそ、“アニメーションにしか出来ないこと”を考えるようになったバード監督は、アニメーションの利点について「実写映画が出来ないことも確かにあって、それは物事の本質を要約してを伝えるということだ。強調するものと捨てるものを選択するという要素があり、それをアニメーションではいつもやる事が出来た。それが本当に実写から僕達アニメーションを分けているものなんだ。“本質を見つけて強化する”ということなんだよ」と力強く語った。

また、本作は前作の直後から物語がスタートするという、実写映画ではできない、アニメーションならではの表現も魅力といっていいだろう。
■実写の要素をアニメに取り入れると「たくさんのことが失われる」
しかし現在は、アニメーションの動きも「モーション・キャプチャー」で現実の役者の動きを取り入れて製作することも出来る。そのような質問に対してバード監督は「演技がとても良い時、アニメーター達にそれらを見直させて、実際に役者の動きを取り入れる時もある。しかし演技をモーション・キャプチャーから直接取って、アニメーションに入れると、たくさんのことが失われる」と語る。

アニメーターは実際にそのシーンの演技を自ら行い、その映像を実際に見てアニメーションに命を吹き込む作業をしている。事実モーション・キャプチャーの表現と、アニメーターの表現では、言葉では表せなくても、確かに動きに違いを感じることが出来る。アニメーションには、アニメーションならではのアクションが存在するのだ。
「アニメーションというのは素晴らしい芸術なんだ」とバード監督が語る、その魅力が炸裂する様子を是非スクーリンで確かめてみて。
『インクレディブル・ファミリー』は全国にて公開中。