今回第1弾として発表されたオムニバスドラマは、佐野史郎と勝地涼がW主演する、クスッと笑えて心温まる友情ドラマ「幽霊社員」。
とある建設会社の社史編集室でひっそりと働くサラリーマンの工藤良治は、社員から「あんな人、ウチの会社にいましたっけ?」と陰口を言われるような覇気の無い人間で、仕事への情熱はとっくの昔に失い、定年までのあと4年、余計なことをせずに平穏に過ごそうと心に決めていた。しかしある日、会社のトイレに入った工藤は、過労死したはずの若手社員・里山秀平に遭遇。里山の姿が見えるのはなぜか工藤だけで、しかも会話までできてしまう。そして「最後の仕事をどうしてもやり切りたいんです!」と協力をしつこくせがまれた工藤は、渋々引き受けることになってしまい…というストーリーだ。
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存在感ナシの“幽霊社員”・工藤良治を演じるのは、1990年放送の「超・能・力!」で「世にも奇妙な物語」初出演し、今作がちょうど10年ぶり10本目の出演となる佐野さん。
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また、過労の末若くして死んでしまったが、やり残した仕事に未練があり、成仏するため工藤に助けを求めにやってくる“本物の幽霊”里山秀平を、「世にも奇妙な物語」シリーズへは今作が3本目の出演となる勝地さんが演じる。
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生きているのに死んでいるような工藤と、死んでいるのに生きているような里山。今回初共演で対照的な役柄を演じる2人は、お互いについて「非常に真面目な方ですよね。正直で、自分の気持ちを大切になさっていて。嘘のないよう、現場で常に葛藤しながらだったかも知れませんけれど、温度もその分高くて。僕とは対照的だったかもしれない」(佐野さん)、「佐野さんのこだわりをもった役作りを間近で見ることができて楽しいです。クスッと笑えるシーンもあるのですがコメディー要素を出しすぎないような微妙な線引きを、佐野さんがリアリティを持って演じてくださっています」(勝地さん)とコメント。
なお本作を演出するのは、1990年の第1回放送から携わる「世にも奇妙な物語」創始者のひとりで、今作が31本目、11年ぶりとなる星護監督。佐野さんとは本シリーズにて放送された「恐竜はどこへ行ったのか?」(’94)などでタッグを組んでおり、佐野さんは「昔と変わらず映像のイメージがはっきりなさっていて。イメージをすり合わせたり、折り合いつけたりするのに悩むこともありましたけれど、葛藤が多ければ多い分、成立した時の喜びは大きいですよね。その熱が各シーン、各カットに表現されていると思います」と久々のタッグに自信を見せる。
台本を読み、「面白い」と思ったという勝地さんは、本作について「幽霊の話だけど、ほっこりする話で。生きているのに死んでいるような人と、死んでいるのに生きてるような人が交わる不思議な話ですが、“死んだからといってそれで終わりじゃないんだ”という、生きている人に勇気を与えるテーマ性に共感しました」とコメントしている。
土曜プレミアム「世にも奇妙な物語 ’18秋の特別編」は11月10日(土)21時~フジテレビにて放送。