愛する人を失った2人が惹かれ合う、美しくも切ない物語
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一方、エルサレムに暮らすアナトは交通事故で夫を失ったばかり。まだ悲しみが癒えぬ中、ひとり息子イタイを抱えながら自らのカフェを再開しようとしていた。人手がほしい彼女は、客として店にやってきたトーマスが職探しをしていると知り、彼を雇い入れる。ある日、トーマスはイタイの誕生日のためにシナモンクッキーを焼くが、そのあまりのおいしさに感激するアナト。トーマスのクッキーを店に出すと、たちまち人気メニューとなっていく。
やがて愛する人を失い、心に空洞を抱えた者同士、引き寄せられるように関係を深める2人。お互いが同じ男性を愛していたこと、そして隠された事実があったことに直面するのに、それほど時間はかからなかった…。
食べる、生きる、そして愛すること…人生と料理を通して描かれる人間讃歌
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愛する人の幻影を求めてエルサレムにやってきたケーキ職人のトーマスが、大きな手でダイナミックに、丹精込めて生地をこねる姿は、無口な彼の悲しみ、寂しさ、後悔などをまるで代弁するかのよう。一心不乱にケーキ作りに没頭しているときだけは、トーマスは孤独を忘れられる。
未亡人のアナトもまた、どこか懐かしさを覚えるトーマスのクッキーやケーキに魅せられ、癒されていく。カフェでの作業や彼女の息子も交えた関わりの中で、2人の思いが近づく瞬間はまさにケーキ作りの真っ最中。シナモンの香りやチョコレートとクリームたっぷりの“黒い森のケーキ”は、愛した人を否応なしに思い出させるのだ。
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また、エルサレムでは安息日(土曜日)には仕事をせず家族で過ごす、という宗教上の慣習があり、金曜日の夜から家族で食卓を囲み、その日を迎える。比較的リベラルな考え方を持つアナトでさえも、やがて、その特別な日にトーマスを迎え入れる。彼の手作りケーキに安らぎを得るアナトと、異国の地で居場所を見つけたトーマス。どんなに深い悲しみや絶望の中に沈んでいても、おいしいものを誰かと食べることが救いとなるのは、国や文化、宗教は違っても変わらない。夫を亡くした妻と、その夫の秘密の恋人という立場を超えても、普遍なのだ。
同じ愛の痛みと喪失を共有する2人の物語は、単なるラブストーリーの枠には収まらない壮大な人間讃歌として、観る者の心を揺さぶるに違いない。
イスラエル・アカデミー賞で7冠!「心に響くラブ・ストーリー」「余韻に浸りたい」と大絶賛の声
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イスラエルで生まれ育ち、自身もシェフである現在37歳のオフィル・ラウル・グレイツァ監督は、8年の歳月をかけた本作で長編デビュー。2017年から70以上もの国際映画祭で絶賛を受け、2018年オフィール賞(イスラエル・アカデミー賞)では9部門にノミネート、作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞(サラ・アドラー)含む7部門で受賞する快挙を達成。
世界各国で公開されると、辛口で知られる映画批評サイト「Rotten Tomato」では98%のフレッシュ(好評価)を獲得、トーマスを演じたティム・カルクオフは一躍、「ヴァラエティ」誌が選ぶ「観るべきヨーロッパの10人の俳優たち」にも選出された。
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国内最大級の映画レビューサイト「coco」が行った独占試写会では満足度96%の好評価を記録!
さらに、「複雑な感情と純愛が混在する素敵な映画でした。傑作。」「人種、性、宗教などの問題を織り交ぜながら静かに語られる愛の話。」「心に響くラブ・ストーリーだと言えるだろう」「愛を柱に、文化・宗教・食など広い視野で見せて教えて気づかせてくれる感じが好き。余韻に浸りたい。」と、本作を絶賛する声が相次いでいる。
『彼が愛したケーキ職人』は12月1日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて順次公開。
『彼が愛したケーキ職人』公式サイト:http://cakemaker.espace-sarou.com/
〈提供:エスパース・サロウ〉