夢見ることを諦めなかった女性シンガーがスターに…『アリー/ スター誕生』

世界の歌姫レディ・ガガが夢見ることを諦めなかった女性シンガー・アリーにふんし、トップスターにのぼりつめるまでを描いた『アリー/ スター誕生』(12月21日公開)。クリント・イーストウッドからバトンを受け継いだ俳優ブラッドリー・クーパーが、初監督&出演した感動のラブストーリーだ。

世界的ミュージシャン・ジャクソン(ブラッドリー・クーパー)は、場末のシンガー・アリー(レディー・ガガ)の才能に魅せられ、猛烈アタックを開始する。そして熱気みなぎるジャクソンのライブにゲスト出演した彼女は一気にスターダムへ。下積み時代が長かったアリーが、ためらいながらも、ステージで披露した奇跡の歌声には誰しも胸を熱くすることだろう。
また本作のもうひとつの見どころは、美しくも激しい2人の愛の絆。その象徴とも言えるジャクソンとアリーの甘美なハーモニーに酔いしれたい。

心に傷を負った男女の再生の物語…『世界にひとつのプレイブック』

同じくブラッドリー・クーパーが主演を演じ、実力派俳優としての評価を獲得した作品がヒューマン・コメディ『世界にひとつのプレイブック』(2012年)。心に傷を負った男女の再生を描く。
妻の浮気現場を目撃したことから躁うつ症を患い、精神病院に入院していたパット(クーパー)と、夫を亡くし、同じく精神を病んでいたティファニー(ローレンス)。何かと過激なティファニーと彼女のエキセントリックな行動に振り回されるパットが、少しずつお互いを認め合い距離を縮めていく姿が微笑ましい。
成り行きで出場することになったダンス大会では、2人はユニークながらも完全燃焼の踊りを披露!人生をこじらせていた不器用な彼らは、果たして幸福になれるのでしょうか?

モテ男×記憶障害の女性が選んだ未来は?…『50回目のファーストキス』

アダム・サンドラー&ドリュー・バリモアによる2004年のハリウッド映画を、山田孝之&長澤まさみでリメイク。『50回目のファーストキス』(2018年)は、モテモテのツアーガイドと記憶障害の女性が織り成すラブコメディ。

ハワイ、オアフ島。大輔(山田さん)は、カフェで偶然居合わせた美しい女性・瑠衣(長澤さん)に一目惚れ。なんとか再会を約束するも、次の日になると瑠衣は全く大輔のことを覚えていない。実は瑠衣は事故の後遺症で、眠るとその日あった全てのことを忘れてしまうのだ!
瑠衣の家族に反対され、会うことを止められた大輔が、瑠衣と話をしようと奮闘する姿が笑える。コメディを得意とする福田雄一監督が、随所に笑いを散りばめながらも、数奇な運命に翻弄される男女の切なさをしっとりと描いた本作。ハワイの美しい風景とまばゆい陽光の下に繰り広げられる、2人の恋の行方を見守ろう。

作家志望の脚本家が黄金時代のパリにタイムスリップ…『ミッドナイト・イン・パリ』

『それでも恋するバルセロナ』の名匠ウディ・アレンが、パリを舞台におとぎの世界をつむぐ『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年)。遊び心たっぷりのロマンティック・コメディなのだ。

ハリウッドの売れっ子脚本家で作家志望のギル(オーウェン・ウィルソン)は、婚約者のイネズ(レイチェル・マクアダムス)と訪れた憧れのパリで迷子に。そして午前0時の鐘の音を合図に、1920年代へとタイムスリップしてしまう。
ヘミングウェイ、ピカソ、ダリ、ゴーギャンら偉大なる芸術家たちと、刺激的な時間を過ごすギル。洒脱な薫り漂うバーや夜闇に回る観覧車のネオンなど。黄金時代のパリを再現した幻想的なシーンにはうっとりさせられるはず。

夜ごと芸術家たちと教養を高める一方、妖艶な美女アドリアナ(マリオン・コティヤール)に心惹かれるギルが最後に下した決断とは? ウディ・アレン流の皮肉が効いた小粋なラブロマンスをどうぞ。
インド人マダムが異国でコンプレックスを克服…『マダム・イン・ニューヨーク』

最後はインド映画界に旋風を巻き起こした、新進気鋭の女性監督ガウリ・シンデーによる『マダム・イン・ニューヨーク』(2012年)。英語コンプレックスのインド人女性が、一念発起して苦手を克服していくヒューマンドラマ。
料理が上手で英語が苦手なインド人主婦シャシ(シュリデビ)。ある日シャシは米国で暮らす姪の結婚式を手伝うために、単身N.Y.に渡ることに。
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家族から英語が話せないことをからかわれ、軽んじられていることに傷ついていたシャリ。N.Y.でもカフェで言葉が通じず、つらい思いをして涙を流すエピソードには共感する者も多いだろう。
そんな彼女が、N.Y.で家族に隠して語学学校に通い、一緒に学ぶ仲間たちと励まし合いながら自信を取り戻していく姿には勇気づけられる。インド映画が誇る人間賛歌&多幸感いっぱいの歌と踊りを堪能すべし!
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人生に希望を感じていれば、美しい景色はさらに美しくキラキラと輝いて見えるはず。今年のクリスマスシーズンには人生に前向きになれるキラキラ映画を観て、心豊かに年末年始を過ごしてみるのはいかがでしょう?(text:足立美由紀)