『娼年』体を重ねることで主人公も目覚めていく…【R18+】
戦隊ヒーローから朝ドラ、今年はさらに日曜劇場へ。国民的知名度を誇る松坂桃李が、30歳を前に一糸まとわぬ熱演を見せた『娼年』(18)。

R15+指定の舞台版も手がけた三浦大輔監督のもと、共演の女優たちと“綿密なリハーサル”を行なったというだけに、ほかの映画なら隠すところ、お茶を濁すところを赤裸々にすべて見せるだけでなく、大都会で喪失感を抱え、何の目的もなしに生きる青年の心の成長を映し出した。さまざま欲望や愛の形について何気に考えさせられる(そして可笑しみもある)、どこかフランス映画のような雰囲気のある1本。

『花宵道中』安達祐実の初脱ぎが話題に【R15+】
2018年「海月姫」から「リーガルV」までバイプレイヤーとして引っ張りだこだった安達祐実が、キャリア初の花魁を演じ、ヌードを披露したことも話題となった『花宵道中』(14)。2006年の第5回「女による女のためのR-18文学賞」で大賞と読者賞をW受賞した原作を映画化した。

安達さんは江戸末期の新吉原、身体が火照ると柔肌に“赤い花が咲く”と話題の花魁・朝霧を儚くも、ときに凛々しく演じた。運命の相手とようやく結ばれるシーンは“これ限り”だからこそ、どこまでも濃密で美しい。相手役は『ダブルミンツ』『にがくてあまい』の淵上泰史が務めた。

『花芯』嫉妬に狂う林遣都も必見【R15+】
「中学聖日記」6話から登場し、育児放棄の母親を演じていた村川絵梨が2016年に主演した『花芯』。瀬戸内寂聴が瀬戸内晴美と名乗っていたころに発表した恋愛小説が原作。

親の決めた許婚・雨宮(林遣都)と愛のない結婚をし、体を重ねても心ここにあらず、夫の転勤先で出会ったワケありの越智(安藤政信)に恋焦がれるという役どころで、村川さんはトップレスも辞さずに花開いていく園子を熱演。『海を感じる時』の安藤尋監督により、可憐さと激しさが同居するラブシーンに挑んだ。嫉妬に狂い、豹変していく林さんにも要注目。

『アンダー・ハー・マウス』エリカ・リンダーに惚れる!【R18+】
中性的な美貌で注目を集めるトップモデル、エリカ・リンダーの初主演映画『アンダー・ハー・マウス』(18)。エイプリル・マレン監督をはじめ脚本家、撮影監督、プロデューサー、照明など全スタッフが女性で、女性同士のセックスから始まる愛をつぶさに描いた。

昼は大工として働き、毎晩のように違う女性と関係を持っていたダラスも、男性の婚約者がいるキャリアウーマンのジャスミンも、深まる関係によって初めて自分の居場所を見つけていく。『アデル、ブルーは熱い色』が陽光に映し出された絵画ならば、こちらはネオンの中のリアル。

『お嬢さん』過激なエロスと騙し合いに目が離せない【R18+】
欲に目がくらんだ者たちの騙し合い、どんでん返し満載のサスペンスに過激なエロスがからみ合っていく。韓国が誇る異才にして天才パク・チャヌク監督の手により、英国作家サラ・ウォーターズのミステリー小説「荊の城」が舞台を第2次大戦中、日本統治下の朝鮮半島に変えて大胆に生まれ変わった『お嬢さん』(16)。

特にお嬢さん(キム・ミニ)と侍女(キム・テリ)の交わりは刺激的ではあるものの、甘美で深い愛を感じずにはいられない。さらに、卑わいなワード連発の朗読会や春画には赤面しつつも、うっとりするような映像美にも目が離せない。

『ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2』観た後に語り合いたくなる?【R18+】
ここまで女性の性を赤裸々に語った映画は初めてかもしれない。セックスの最中に我が子を失い、喪失感と自責の念から狂気にとりつかれていく妻を演じた『アンチクライスト』以来、ラース・フォン・トリアー監督のミューズとなったシャルロット・ゲンズブール、そして『グッバイ・ゴダール!』のステイシー・マーティンが映画デビューとは思えないほど、すべてをさらけ出す。

自らを“ニンフォマニアック=色情狂”と断言するシャルロット扮する主人公ジョーが、偶然出会った年配の男(ステラン・スカルスガルド)にその半生を独白していくが、8つの章からなる2部作、計240分のセックス談義の行方は…? 過激さが増すほどコミカルに見えてくるのは『娼年』とも通じるものが!?
