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【第91回アカデミー賞】注目すべき5つの瞬間、司会者不在は意外と好評!

第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された。本稿では「注目すべき瞬間」として5つのエピソードを紹介する。

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第91回アカデミー賞 (C) Getty Images
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第91回アカデミー賞授賞式が2月25日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された。本稿では「注目すべき瞬間」として5つのエピソードを紹介する。

幕開けはクイーン!「We Will Rock You」に客席総立ち


30年ぶりの司会者不在となった今回、どのように授賞式が幕を開けるか注目されていたが、先陣を切ったのは『ボヘミアン・ラプソディ』で熱い視線を浴びる「クイーン+アダム・ランバート」のライブパフォーマンスだった。披露されたのは「We Will Rock You(ウィ・ウィル・ロック・ユー)」「We Are the Champions(伝説のチャンピオン)」の2曲。まさに、映画界の“チャンピオン”を称えるセレモニーにふさわしい演出に、会場も大盛り上がり。最後は、映画の主人公でもある故フレディ・マーキュリーの映像も登場し、大きな拍手が送られていた。本作は主演男優賞をはじめ、編集賞、録音賞と音響編集賞の最多4冠に輝いた。

クイーン+アダム・ランバート (C) Getty Images

受賞は逃すも存在感はバツグン! 日本映画の“これから”に大きな期待


外国語映画賞にノミネートされた『万引き家族』(是枝裕和監督)、長編アニメ映画賞候補となった『未来のミライ』(細田守監督)はともに受賞を逃した。どちらの部門も、受賞した“大本命”が強すぎたことを考えると、善戦したといえるだろう。実際、両作品とも全米で高い評価を獲得しており、パワフルな存在感を残す結果になった。共通するのは鮮明な作家性と、家族という普遍的なテーマ。今年のアカデミー賞は、日本映画の“これから”に期待したくなる、大きな転機となったはずだ。

『万引き家族』(C)2018『万引き家族』 製作委員会 

映画人を追悼する“In Memoriam” 今年は高畑勲監督、脚本家の橋本忍さんら


この1年間で亡くなった映画人に哀悼をささげる“In Memoriam”には、今年もさまざまな分野で活躍し、映画業界を支えた先人たちが紹介された。アカデミー賞監督賞に輝くベルナルド・ベルトルッチ(『ラスト・エンペラー』)、ミロス・フォアマン(『アマデウス』)をはじめ、日本からはアニメーション監督の高畑勲さん、脚本家の橋本忍さんの姿がスクリーンに投影された。『ブラックパンサー』が作品賞候補となった記念すべき年、スタン・リーが追悼された瞬間も忘れ難い。

第91回アカデミー賞 (C) Getty Images
一方、毎年恒例だが「なんで、この人、追悼しないの?」という疑問や怒りの声がSNS上には広がっており、特に80年代『グレムリン』『ターミネーター』などでいい味出していたディック・ミラー、90歳を超えても現役で活躍した女優のキャロル・チャニング、「スポンジ・ボブ」の原作者であるスティーブン・ヒレンバーグ氏、初期の『スター・ウォーズ』シリーズを手がけた名プロデューサー、ゲイリー・カーツらが省かれたことに、異論が巻き起こっている。

『ブラックパンサー』が3部門受賞! ヒーロー映画を今後はどう扱う?


スーパーヒーロー映画として、初めて作品賞候補に挙がり、話題を集めた『ブラックパンサー』はノミネートされた6部門のうち、作曲賞、美術賞、衣装デザイン賞の計3冠に輝いた。これまでの傾向を考えると、美術賞や衣装デザイン賞は、18世紀のイギリス王室を舞台にした『女王陛下のお気に入り』が本命だったはずで、アカデミー会員の好みの変化がうかがえる。

『ブラックパンサー』 (C) APOLLO
『ブラックパンサー』旋風の裏側には、アフリカ系アメリカ人の強い思いも反映されているが、アカデミー賞にとっては、今後ヒーロー映画をどう扱うべきかの試金石となったはずだ。なお、本作で歌曲賞候補になったケンドリック・ラマーは、スケジュールの都合で受賞式を欠席し、「オール・ザ・スターズ」の披露はなかった。

「過去最高のオスカー」の声も? 司会者不在で授賞式は、すこぶるスムーズ


第91回アカデミー賞の授賞式といえば、最大の関心事はやはり司会者不在。ケヴィン・ハートの降板が決定されると、その後は『アベンジャーズ』の面々が代わる代わる進行を担当するといった報道もあったが、ふたを開けると、司会不在を埋めるような仕掛けはなく、パフォーマンスをはさみながら、各賞のプレゼンターが登場し、結果を発表するという至って、シンプルな構成となった。

第91回アカデミー賞 (C) Getty Images
この件に関して、SNSで「without a host」(司会者不在)と検索してみると、「司会者がいないほうが良い」「司会者がいないと、いかにスムーズに進行するかがわかった」「つまらないジョークを聞かずに済む」「過去最高のオスカー授賞式」など、意外にも好意的な意見が多く見受けられる。もちろん「実況無しで試合を見ているみたい」とさみしさを訴える声もあるが、放送する米ABCにとっては、悩みの種だった放送時間が、今年は大幅に短縮される結果に。高額なギャランティも考えると、司会者不在が既定路線になる可能性は大いにありそうだ。

《Ryo Uchida》

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