窪田正孝はダウナー系が尊さの極み…『Diner』『東京喰種【S】』ほか

現在絶賛公開中の主演映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』と藤原竜也×蜷川実花監督による『Diner ダイナー』の2作で、窪田正孝に“堕ちる”人が続出している。

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窪田正孝『東京喰種 トーキョーグール【S】』/photo:You Ishii
窪田正孝『東京喰種 トーキョーグール【S】』/photo:You Ishii 全 29 枚 拡大写真
先のドラマ「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」で月9初主演を果たし、天才的な画像診断の目を持つ診療放射線技師を好演したことが記憶に新しい窪田正孝。現在絶賛公開中の主演映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』と藤原竜也×蜷川実花監督による『Diner ダイナー』の2作で、彼に“堕ちる”人が続出している。

映画・ドラマを問わず、幅広いジャンルで多彩な役柄を変幻自在にこなすことから“カメレオン俳優”といわれて久しい窪田さんだが、奥手で一途な青年医師から陰のある殺し屋、ヘタレや天然も演じ分けながら、バラエティ番組ではお茶目な素顔も覗かせる、実は指折りのギャップ男子でもある。31歳を迎えるにあたり、とりわけ磨きがかかっているのが、美しく儚げなダウナー系の窪田さんだ。


着実に実績を積み、2015年に大ブレイク!


窪田正孝
1988年生まれ、8月6日で31歳になる窪田さん。2006年にドラマ主演で俳優デビュー、ドラマ「ケータイ捜査官7」や映画『ガチバン』シリーズなどで頭角を現しはじめると、2012年の大河ドラマ「平清盛」の平重盛役などで美少年ぶりを発揮。「最高の離婚」「SUMMER NUDE サマーヌード」など人気ドラマに相次いでレギュラー出演し、2014年には朝ドラ「花子とアン」「Nのために」「ST 赤と白の捜査ファイル」(連ドラ)、映画『闇金ウシジマくんPart2』、2015年には映画『予告犯』に「デスノート」の夜神月役などでさらに知名度を上げ、若手実力派に仲間入り。2015年末には「Yahoo!検索大賞」俳優部門のトップにもなった。

その後も出演作は途切れることなく、斎藤工との名バディが話題となった「臨床犯罪学者 火村英生の推理」(2016)は現在も根強い人気を誇り、この秋にHuluで最新2ndシーズンが配信予定。火村の保護者役を自認しながらもどこか頼りない推理作家・有栖川アリスとして、軽妙な関西弁でまた多くのファンを魅了してくれるはずだ。さらに、2020年春には、男性主人公は6年ぶりとなるNHK連続テレビ小説「エール」主演も待機している。


その素顔はお茶目で、可愛いがすぎる!?


佐々木希、唐沢寿明、窪田正孝/「THE LAST COP/ラストコップ」完成披露試写会
先日7月25日(木)に放送された「櫻井・有吉THE夜会」(TBS系)に出演した際、お風呂に入りながら体も、服も全部洗う、掃除機で掃除をする度にすべてパーツまで丸洗いするなど、几帳面すぎる性格を披露して話題を呼んだばかりの窪田さん。

そんなツッコみたくなるほど可愛い(?)一面は、「THE LAST COP/ラストコップ」(2016)の“昭和”で時が止まったままの熱血刑事(唐沢寿明)に振り回される“平成”の若手ヘタレ刑事、「僕たちがやりました」(2017)のお調子者の高校生などでも目の当たりにでき、「ヒモメン」(2018)では能天気で天然すぎるヒモ男役が物議を醸したりも!? こうした、どこか放ってはおけない、人なつこい年下男子キャラもハマるのが彼の憎いところで、メイキングのNGシーンやイベントでの発言などを見ても、“もしやリアル天然素材なのでは?”と勘ぐりたくなるほど。

ところが、その一方で、うつむき加減で憂いを帯び、妖しい色気を全身に纏って別ベクトルから母性本能をくすぐってくる姿も、窪田さんにしか出せない魅力として、いま注目を集めている。


『ふがいない僕は空を見た』(2012)as 福田良太


最近ファンになった方にぜひ見てほしい1本。主演の田畑智子と永山絢斗の体当たりの脱ぎっぷりが注目されがちな本作だが、まだあどけなさが残る窪田さんの複雑な感情表現の演技は特筆すべきものがある。

不妊に悩む主婦・里美(田畑さん)と高校生・卓巳(永山絢斗)がコスプレで不倫を重ねる前半から一転、後半が卓巳の同級生・福田良太の物語に。経済的に困窮し、朝は新聞配達、夜はコンビニとバイトをかけ持ちしながら認知症の祖母と暮らす良太。母は借金取りに追われ、いつ帰ってくるのかもわからない。そんな生活の中で、同級生の女子にもモテる卓巳がまぶしく見えていたところに、彼の“裏”の姿を知ってしまうのだ。

卓巳への嫉妬、現状への怒り、未来への焦り…そんな鬱屈したマイナスの心情が少しずつ変化していく過程を、窪田さんは繊細に体現。本作で第34回ヨコハマ映画祭・最優秀新人賞、第27回高崎映画祭・最優秀助演男優賞に選ばれている。

『ふがいない僕は空を見た』初日舞台挨拶

「Nのために」(2014)as 成瀬慎司


『告白』や「夜行観覧車」「リバース」の湊かなえの原作小説のドラマ化。榮倉奈々をはじめとする人気俳優の競演が見もので、榮倉さん&賀来賢人夫婦の出会いの作品として知られる上、賀来さんとは直前まで「花子とアン」で共演していたりも。

瀬戸内海の離島出身の幼なじみ2人が島で起こした“ある事件”と、その10年後の彼らが出会った人々が織りなす切ない純愛ミステリー。「助けて、成瀬くん…」と何度も心の中で叫ぶ杉下希美(榮倉さん)のように、窪田さん演じる成瀬くんに呼びかけたくなった方も多いはず。その言葉にならぬ声に、あらん限りの“陽”の気力を振り絞って「大丈夫」と応じる窪田さんを、永久保存したくなる


『HiGH&LOW』シリーズ(2016~17)
as スモーキー


『HiGH&LOW THE MOVIE』
企画・プロデュースをEXILE HIROが手がけたお馴染みのシリーズでは、身寄りのない子どもたちや犯罪者など天涯孤独の人間が集まる「無名街」の守護者「RUDE BOYS(ルードボーイズ)」のリーダー、スモーキーとして知られる窪田さん。

自分なりのお気に入りキャラを推していく本シリーズにあって、言葉少なでクールなスモーキーに萌えた方は多いだろう。パルクールやダンスの要素が取り入れられた軽やかなアクションは観る者を魅了し、血縁よりも強い絆で結ばれた“家族”を守るため「高く飛べ」と皆を鼓舞する姿にはときめく。銀髪となってしまった『HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION』は涙なしには観られない。

『HiGH&LOW THE MOVIE』『HiGH&LOW THE MOVIE』

「アンナチュラル」(2018)as 久部六郎


石原さとみをはじめとする「不自然死究明研究所(UDIラボ)」メンバーの人間ドラマを中心に、「死」の裏側にある謎や事件をスリリングに解明する法医学ミステリー。「逃げるは恥だが役に立つ」「獣になれない私たち」の野木亜紀子が脚本、主題歌はMVのYouTube再生回数が4億回超えとなった米津玄師の「Lemon」。

久部六郎を演じた窪田さんは、UDIラボで記録係として懸命に働くアルバイトの医大生かと思いきや、週刊誌にUDIの情報を流している内通者でもあった。ぶっきらぼうな中堂さんのつらすぎる過去とともに、久部くんの静かなる葛藤も注目を集めた。


『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018)
as 河上万斉


窪田正孝(河上万斉)/『銀魂2 掟は破るためにこそある』(C)空知英秋/集英社 (C)2018 映画「銀魂2」製作委員会
主演の小栗旬が「大河ドラマみたいな現場」と語るほどの豪華キャストが、福田雄一監督のもとに集結。公式も“イケメンの無駄遣い”を認める中、窪田さんは原作の人気キャラで、鬼兵隊に所属する「人斬り万斉」との異名をとる伝説の剣豪を熱演。

小栗さん演じる坂田銀時と、信念をぶつけ合うスピード感に溢れたアクションはクライマックスの見どころの1つで、相手が窪田さんだからこそ映える、映える。しかも原作同様、サングラスにヘッドホン、三味線を背負っての華麗なるソードアクションには、鑑賞者から感嘆の声が続出した。

『銀魂2 掟は破るためにこそある』(C)空知英秋/集英社 (C)2018 映画「銀魂2」製作委員会

『東京喰種【S】』(公開中)as カネキ


(C)2019「東京喰種【S】」製作委員会 (C)石田スイ/集英社
石田スイの世界的人気コミックの実写映画化。前作に引き続き、どこかアンニュイで、いかにも体温が低そうな半喰種の金木(カネキ)研を演じている。山本舞香演じる喰種の女子高生・トーカと「あんていく」で働き、「超特急」小笠原海演じる親友・ヒデから「またコーヒーかよ」とツッコまれる日常を送るカネキは、半喰種という運命に折り合いをつけて生活している様子。そんな中、松田翔太演じる<グルメ>と呼ばれる喰種の月山習から、一方的に“思いを寄せられて”しまうのだ。

濃いキャラに囲まれて受け身の芝居が多く、アクションは前作より控えめではあるもの、実際に空手黒帯の実力を持つトーカ役山本さんとのキレキレ特訓風景には目を見張るものが! さらに、どこまでも健気に人間を愛するカネキの感情が切ないほどに炸裂するシーンも、ちゃんと用意されている。こうした、やる時はやるキャラも窪田さんならでは。

(C)2019「東京喰種【S】」製作委員会 (C)石田スイ/集英社

『Diner ダイナー』(公開中)as スキン


『Diner ダイナー』(C)2019 映画「Diner ダイナー」製作委員会
『さくらん』『ヘルタースケルター』に続く蜷川実花監督3作目。窪田さんは2013年、故・蜷川幸雄氏の演出による舞台「唐版 滝の白糸」で、無垢な少年から運命に翻弄される青年へと変容していくアリダ役に抜擢されたが、そのビジュアルを撮影したのは蜷川監督だ。今作には主演の藤原さんはもちろんのこと、小栗さんに窪田さんらが出演し、親交のあった横尾忠則が“ダイナー”の装飾美術を担当するなど、巨匠である父への蜷川監督の敬愛が随所に見られる。

母が作ったスフレと同じ味を求めて“ダイナー”に通う殺し屋スキンは、カナコ(玉城ティナ)にある共通点を見出すと、心を許したかのように饒舌になり、思いやりさえも覗かせる。耳が欠け、顔は傷だらけの男の内面に思いを巡らせていたら油断大敵、スフレを食しながら恍惚の表情を見せたり、血まみれで“ダイナー”に倒れ込み、藤原さん演じるボンベロに介抱されたりと色気ダダ漏れシーンを連発。豪華俳優が揃う今作で、間違いなくベスト助演のひとりだ。

『Diner ダイナー』 (C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

『初恋』(2020)as 葛城レオ


『初恋』(C)2020「初恋」製作委員会
“恩師”のひとり、「ケータイ捜査官7」『十三人の刺客』の三池崇史監督とのタッグによる完全オリジナルのラブストーリー。演じるのは、希有の才能を持つもの、負けるはずのない相手との試合でKO負けを喫したことから人生の歯車が狂い出し、ある女性と運命的な出会いを果たすプロボクサー。

今作が出品されたカンヌで窪田さん自らが語ったところによれば、「中身がすごくピュア。でも、人と接することよりも、拳で語り合いたい感じ。周りから見ると接しずらいタイプかもしれない」という、誰もが待ち望んでいたようなキャラクターだ。

『初恋』/カンヌ国際映画祭2019(c) Kazuko Wakayama
カンヌの地を三池監督とともに踏みしめて、「役者として一つの形をもらった気がしました」と手ごたえを明かしていた窪田さん。同じく2020年に放送される朝ドラでは、“気弱な少年”が音楽の才能に目覚め、昭和を代表する作曲家になるまでを夫婦の物語として描くというが、『初恋』ではダウナー系の新境地にして真骨頂を目にすることができるのかもしれない。

『初恋』(C)2020「初恋」製作委員会

《text:Reiko Uehara》

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