時代劇だけど“喜劇”だから「やりたい」
そのタイトルからイメージする通り、コメディであり、時代劇でもある本作。星野さんの“時代劇”への出演は2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」以来となる。
「『真田丸』の徳川秀忠は身分が高いので、所作や衣装の着物などもしっかりしていました。頭も中剃りで甲冑を着たりもして。時代劇は“とにかく大変”という印象だったんです。だから時代劇はしばらくやらないように(笑)しようと思っていたら、このお話をいただいて。『きた! 大変だ、時代劇だ』と思ったんですけど、まずは脚本を読ませていただきました」。
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「実際にはこのシーンはなくなったんですけど、僕が演じた片桐春之介が『見切ります!』って言いながら、モノを捨てていくときに、捨てられた人が悲鳴を上げるんですけど、そのときのセリフが『ギャー!』ってカタカナで書いてあったんです(笑)。脚本は原作者の土橋章宏さんなんですけど、原作者の方がこうやって書いてらっしゃるということは、江戸時代の当時の引っ越し、国替えがテーマになってはいるけれど、リアリティラインとしては、時代劇というよりは喜劇なんだと思って、“やりたい”と」。

「それでお引き受けしたら、春之介は思っていた以上に、ちゃんとしてない(笑)。どちらかというと社会からドロップアウトしちゃっている人なので、所作や服装をちゃんとしすぎない方が良かったんです。だから衣装のシワも大事なので、休憩時間も横になっていても怒られませんでした。そういう意味ではすごく気が楽だったんです。時代劇だけど、普通の現代劇の人としていた方がいいだろうなという感覚でした。いわゆる、時代劇の形式美みたいなものは、僕以外のキャストのみなさんが担ってくださっていたと思います(笑)」。
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