何もかも正反対のふたりがどん底の状態から困難を乗り越え、絶妙なバディ感でお互いを高め合っていく『THE UPSIDE/最強のふたり』には、行き詰まった人生を<上昇>=UPSIDEさせるヒントがたっぷりと詰まっている。
日本で最もヒットしたフランス映画を、
最強の布陣でハリウッドリメイク
2011年、東京国際映画祭で日本に初紹介されたフランス映画『最強のふたり』は、最高賞の東京サクラグランプリと主演男優賞を受賞。翌2012年9月に劇場公開されると、日本中を温かな笑いと涙で包み込み、ロングランヒット。第36回日本アカデミー賞「最優秀外国作品賞」にも選ばれた。いま現在でも、日本で最も興行収入を上げたフランス映画として不動の地位を築いている。
今回、パリからニューヨークへと舞台を移したリメイク版は、スラム出身の無職の男性とハンディキャップを持つ大富豪の思いがけない友情という実話から生まれたオリジナル版をリスペクトしつつ、ハリウッド流のひねりを脚本に加え、ユーモアと感動がパワーアップ。多くの人に愛される作品だからこそ、最強のキャスティングも実現した。
ケヴィン・ハート/人生の目的なし、居場所もなしの“介護人”デル

人気コメディアンであり、『ジュマンジ/ネクスト・レベル』や『ペット』シリーズなどで知られるケヴィン・ハートが、刑務所から出所したばかりで職を探すデル役に。別居中の妻と息子からは見放されて居場所がなく、生活援助の仕事は一度も経験がないのに高報酬と豪華なペントハウスに住み込みと聞いて俄然やる気になっていく。陽気なお調子者はケヴィンのハマり役だが、時に悲哀さも覗かせる新境地に要注目。
ブライアン・クランストン/生きる目的さえ失った“大富豪”フィリップ

そんなデルを採用する偏屈な大富豪フィリップを演じるのは、『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』でアカデミー賞にノミネート、人気海外ドラマ「ブレイキング・バッド」では4度のエミー賞受賞を誇るブライアン・クランストン。同ドラマで体を張った名演を見せてきたブライアンが、本作ではパラグライダーの事故で首から下が麻痺し、愛する妻も亡くしたセレブ役に挑んでいる。
ニコール・キッドマン/生真面目すぎて可愛い!? “秘書”イヴォンヌ

オリジナル版のキャラクターと最も異なる、新たな魅力が加わったフィリップの秘書イヴォンヌを演じるのは、アカデミー賞女優のニコール・キッドマン。どんな仕事も完璧にこなすが、少々堅苦しすぎるのが玉にきず。いい加減で不慣れなデルには初めから難色を示しており、“審判”としてアウトを言い渡す。
そのほか、『パターソン』でアダム・ドライバーの妻役を演じたゴルシフテ・ファラハニが、フィリップの理学療法士マギー役、さらに海外ドラマ「グッド・ワイフ」「ER 緊急救命室」のジュリアナ・マルグリーズが、フィリップの文通相手リリー役で特別出演を果たしている。
笑って泣いて大忙し!? ハリウッド流の味付けが
感動をさらに上乗せ

深夜の大都会を高級スポーツカーが爆走するシーンから幕を開ける本作。運転席にはデル、助手席にはフィリップ。なぜ、こうなったのかが次第に明かされていくのはオリジナル版と同様であるものの、本作にはふたりのキャラクターやストーリーに絶妙なさじ加減で味付けがなされている。
例えば、フィリップがデルを採用した理由。デルの人柄に触れたことはもちろんだが、事故の後遺症で感覚のないはずの体に疼く痛みと、最愛の妻に先立たれた心の痛みに苦しみ続けるフィリップはある願いを託せる人を探していた。
一方のデルは、妻と息子のためにも人生を立て直したいが、キャリアも学もなく、何をどうしたらいいのか分からない。自分の才覚だけで財を成してきた実業家のフィリップは、“ニーズを見つけ、満たすこと”が肝心とデルに伝授する。

孤独な者同士の“ふたり”が抱えているのは、自責の念や諦め、焦り、そして悲憤だ。そうした感情がフランス版にはない形で一気に表出する誕生日パーティーは、ケヴィンとブライアンの熱演によって激しく心揺さぶられる名シーンとなった。
また、現代アートや音楽に精通したフィリップの朝のお供は、大音量の「誰も寝てはならぬ」(オペラ「トゥーランドット」)だが、デルにとって最高の音楽とは“ソウルの女王”アレサ・フランクリン、日本のTV番組でもお馴染みの「THINK」がプレイリストの定番だ。そんな“ふたり”の愛する音楽が見事に融合したある1曲が、パラグライダーで大空を飛ぶ“ふたり”にスケール感たっぷりに重なっていく。
さらに、最も印象的なのが意外な着地を見せるエンディング。ひげそりのシーンで笑いを誘った後、思いがけない再会が新たな感動を呼ぶ。
「爽快で『THE UPSIDE』な気分」ニューヨークの空気感やニコールの存在も鍵に

「良い意味でアメリカナイズされてました 笑って笑って最後にほろり」「ドラマチックにブラッシュアップされた印象」「ニューヨークの空気感もいいね」「印象的だったのは主人公二人の怒り共有とその発露の場面。スカッとした」など、映画レビューサイト「coco」が行った試写会ではハリウッドらしい演出が利いていたという声が多々。
「全く違う世界に生きてきた二人のWIN-WINの関係っていい」「お互いに良い影響を与えて可愛らしかった!」と、“最強のふたり”の関係性への声はもちろん、特にキーパーソンを演じたニコールに「アレサ・フランクリンとニコール・キッドマンが光ってた」「メガネなニコールがキュート」「ニコールの出演で作品がぎゅっとしまった」と称賛の声が。
「世知辛い仕事後鑑賞も爽快で『THE UPSIDE』な気分に」「前向きになれる」など、笑って、涙して、気持ちが“UPSIDE”したという声も寄せられている。
cocoで『THE UPSIDE/最強のふたり』のレビューを見る
『THE UPSIDE/最強のふたり』公式サイト
『THE UPSIDE/最強のふたり』は12月20日(金)より全国にて公開。