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2020年の“映画初め”にいかが? 新春公開、注目の人間ドラマ5選

新春を華やかに彩る話題作の中から、洋画/邦画に関係なく「注目の人間ドラマ」を5本ピックアップ。2020年の“映画初め”は、人間ドラマでいこう。

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『mellow』(C)2020「mellow」製作委員会
『mellow』(C)2020「mellow」製作委員会 全 16 枚
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令和初のお正月となる2020年。映画界では、年明け1月6日(月)に第77回ゴールデングローブ賞(※以下GG賞)・結果発表、1月13日(月)深夜に第92回アカデミー賞・ノミネート作品発表、そして1月15日(水)に日本アカデミー賞・優秀賞&新人俳優賞発表と、ワクワクするアワードがめじろ押し。これらの発表と並走し、見ごたえアリの秀作が相次ぎ公開予定となっている。

そこで今回は新春を華やかに彩る話題作の中から、洋画/邦画に関係なく「注目の人間ドラマ」を5本ピックアップ。2020年の“映画初め”は、人間ドラマでいこう。(※アワード日程、全て日本時間)

スピード&体制に挑んだ男たちの挑戦の実話
『フォードvsフェラーリ』


マット・デイモンとクリスチャン・ベールがW主演する伝記ドラマ『フォードvsフェラーリ』(1月10日公開)。モータースポーツ界の覇者、フェラーリに挑んだ男たちの挑戦を実話ベースで描いている。

『フォードvsフェラーリ』(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation
企業買収の交渉決裂によって確執を生んだフォードとフェラーリは、後に伝説となった1966年のル・マン24時間耐久レースで激しいバトルを展開する。フォード側で指揮をとるのはスポーツカー製造会社「シェルビー・アメリカン」を率いるキャロル・シェルビー(デイモン)。かつてアストン・マーティンに乗り、アメリカ人として初めてル・マンを制して脚光を浴びたものの、持病の心臓疾患によって引退を余儀なくされた元レーサーだ。

そしてハンドルを握るのは、口は悪いが腕はピカ一のイギリス人レーサー、ケン・マイルズ(ベール)。経営する自動車修理工場が資金不足で差し押さえられ、愛する家族のために無謀とも言える挑戦のフロントラインに立ち、最速を目指す――。

『フォードvsフェラーリ』(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation
“スピードの限界”と同時に“フォードの大企業体質”という2つの壁に立ち向かうことになったシェルビーとマイルズ。レースへの情熱を軸に強い信頼関係で結ばれた、2人の胸アツの友情は必見!

加えて、当時を再現したル・マン会場を舞台に、時速200マイル(約320km)で疾駆するレーシングカーの臨場感あふれるダイナミックな映像も堪能して欲しい。

本作でベールはGG賞(主演男優賞)にノミネートされている。その結果にも乞うご期待!

『フォードvsフェラーリ』(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

高台の豪邸は、最高の就職先…?
『パラサイト 半地下の家族』


第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞し、GG賞(外国語映画賞&脚本賞)2部門ノミネート、アカデミー賞(国際長編映画賞)候補10作入りが発表されている本作。韓国の名優ソン・ガンホが出演する『パラサイト 半地下の家族』(1月10日)は、サスペンス、アクション、ユーモア…全ての感情を揺さぶる超一級のエンターテインメントだ。

『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
過去に度々事業で失敗している父ギテク(ガンホ)、元アスリートの母チュンスク、浪人生の長男ギウ、美大志望の長女ギジョンのキム一家は全員失業中だ。ある日、仕事が見つからないとボヤいていたギウは、エリート大学に通う友人から “ご令嬢の家庭教師”のピンチヒッターを頼まれる。

『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
もともとキム一家が暮らしていたのは携帯の電波もトイレの水圧も弱い “半地下住宅”。今回の就職先であるIT企業の経営者パク・ドンイクの自宅は高台の大豪邸で、受験経験だけは豊富なギウはパク家の妻&娘の信頼を獲得していく。

貧しいキム一家と裕福なパク一家。本来なら交わることのない彼らの人生が交差した時、生じるのは亀裂か共生への兆しか? 『殺人の追憶』で世界を震撼させた若き才能ポン・ジュノ監督が、ウィットに富んだ語り口で “二極化”と“不平等”を活写した本作。激しくもつれあう悲喜劇がもたらす衝撃にご注意あれ!

『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

岩井ワールド全開の初恋と成長の物語
『ラストレター』


『ラストレター』(1月17日公開)は、『Love Letter』『スワロウテイル』の岩井俊二監督が、松たか子、広瀬すず、庵野秀明、森七菜、神木隆之介、福山雅治ら超豪華キャストの共演でつむぐ珠玉のラブストーリーだ。

(C)2020「ラストレター」製作委員会
亡くなった姉の訃報を知らせるために出かけた同窓会で、姉と勘違いされてしまう妹・裕里(松たか子)。そこでかつての初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会した裕里は、姉のふりをして鏡史郎と文通を始める。

(C)2020「ラストレター」製作委員会
やがて鏡史郎の手紙は亡き姉の娘・鮎美(広瀬すず)の手に渡り、行き交う手紙を媒介に青春時代の淡い恋の思い出が鮮やかに甦ってくるのだが、その回想シーンの姉妹役を現代パートの姉妹それぞれの娘役である広瀬すずと森七菜が演じることで、ある種の非現実感が生まれ、作品にファンタジックな趣を与えている。

「手紙」「初恋」「成長」をテーマとする本作は、同じく「手紙」がキーアイテムとなる中山美穂が2役にふんした1995年公開の名作『Love Letter』をほうふつとさせる。その作品で主要人物を演じた中山さん、豊川悦司も今回意外な役柄で登場。強烈なインパクトを放っているのでこちらもお楽しみに!

(C)2020「ラストレター」製作委員会

ワイティティ監督が空想のヒトラーに
『ジョジョ・ラビット』


第二次世界大戦下のドイツを舞台に、10歳の少年ジョジョの奮闘をコミカルに描く社会派ドラマ『ジョジョ・ラビット』(1月17日公開)。GG賞(作品賞&主演男優賞)2部門にノミネート、近年、アカデミー賞に最も近いと言われているトロント国際映画祭(観客賞)を受賞した注目作だ。

『ジョジョ・ラビット』 (C)2019 Twentieth Century Fox
空想上の友人“アドルフ”に励まされながら、立派な兵士になることを夢見るジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)。しかし素顔は命令されてもウサギを殺すことができない心優しき少年だ。

『ジョジョ・ラビット』(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation &TSG Entertainment Finance LLC
本作は第二次世界大戦下においてナチス政権が青少年集団「ヒトラーユーゲント」で子どもを教化し、戦場へと送り込んだ史実を、戦争の悲惨さと共にジョジョの視点からシニカルな笑いで描いている。そんなジョジョが、自宅の屋根裏に潜んでいたユダヤ人少女と出会い、ほのかな恋心とともに成長していく姿は爽やかな感動を呼ぶだろう。

メガホンをとったのは『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ。監督のみならず、ジョジョのイマジナリーフレンドであるヒトラーをコミカルかつ過激に演じているのでご注目あれ!

『ジョジョ・ラビット』 (C)2019 Twentieth Century Fox

田中圭がおしゃれな花屋さんに!
『mellow』


そして最後は田中圭主演、『愛がなんだ』の今泉力哉監督による恋愛群像エンターテインメント『mellow』(1月17日公開)。街で一番おしゃれな花屋と昔ながらのラーメン店を舞台に、少しだけ不器用な人々の様々な片想いが今泉監督のオリジナルストーリーで描かれる。

『mellow』(C)2020「mellow」製作委員会
お客様の“相手を想う心”も込めて花束を作る花屋「mellow」の夏目誠一(田中さん)。その店の常連客は近所に住む中学生や人妻などで、夏目の周辺で繰り広げられる、まっすぐでちょっとヘンテコな恋模様にホッコリとさせられる。

『mellow』(C)2020「mellow」製作委員会
田中さんは、独身・彼女ナシ「花が恋人」の夏目を好演。その陽だまりのような穏やかなほほ笑みには、登場人物ならずともキュンキュンさせられる。そして夏目が毎日のように通うラーメン屋の先代&二代目店主・木帆(岡崎紗絵)との思いやりにあふれる関係は観る者の胸に温かい燈を灯すことだろう。

タイトルになった“mellow”とは、芳醇な果物や円熟した人柄など、物事がまろやかになっている状態のこと。その言葉通り、愛と優しさに満ちた味わい深い本作が物語る、夏目の想いを見届けよう。

『mellow』(C)2020「mellow」製作委員会
今回紹介した作品は、熱き友情、社会風刺、恋愛などテイストは異なれど、それぞれのフィールドでひたむきに生きる人々を活写した作品ばかり。そんな登場人物たちの一生懸命な姿を観れば、2020年を充実した年にするヒントが見つかるかもしれません。《text:足立美由紀》

《text:Miyuki Adachi》

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