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【インタビュー】今泉力哉監督 “生っぽい”感覚を追求「ドラマにならないようなことが、ドラマにできる」

温かい片想いに苦しい両想い、甘やかだけでない恋愛のコミュニケーションは、映画の世界と私たちの距離をグッと近づけていく。手腕を惜しみなく発揮した今泉力哉監督に、こだわりを聞いた。

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今泉力哉監督『mellow』/photo:赤山恭子
今泉力哉監督『mellow』/photo:赤山恭子 全 10 枚
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最終的に出来上がったものがベストな形、幸せな形で世に出ることが大事



――今泉監督の作風は「リアル」「生っぽさ」がキーワードであり、時折激しくドキリとさせられます。そのあたりは得意とするところでしょうか?

今泉監督日常劇なので、台詞を書くときにも、普段言わない言葉はあまり書かないとかは意識しています。映画はフィクションだから、かっこいい台詞とか、いい言葉を書いてもいいんですけど、そうするとどんどん作り物になっていくから。あと、逆に決め台詞っぽい言葉は、なるべくかっこいい画で撮らないように意識してます。決め台詞って、ほかの台詞よりも「決め」なだけで1個乗るんです。それを「寄り」で撮るとふたつ乗っちゃう。オンオンだと、押しつけになっちゃうと思うから。観終わったときに、やっぱり「本当に隣にいそう」とか「近くに住んでそう」みたいになったほうが、自分たちの話になる気がしています。

『mellow』 (C) 2020「mellow」製作委員会
――今後、さらにバジェットの大きな作品のオファーを受ける可能性も高そうです。今泉監督ならではの切り口で、新しい世界に挑戦されるような未来もあり得ますか?

今泉監督:ありがたいことに、いろいろ仕事もいただいています。でも、例えば、「お願いしたい!」と言っていただけて、めちゃくちゃ面白い原作があったとしても、俺より面白くできる人がいると思ったら、やらないと思いますね。それは別に俺が「作品を選びたい」とかじゃなくて、最終的に出来上がったものがベストな形、幸せな形で世に出ることが大事だと思っているからです。でも、やっぱりまだ描かれていない日常の恋愛の感情について描き続けたいですね。もし、「ドラマにならないようなことが、ドラマにできる」みたいなことが自分の強みなんだとしたら、それはやり続けていきたいな、と思っています。

今泉力哉監督『mellow』/photo:赤山恭子
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《text/photo:赤山恭子》

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