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『パラサイト』格差を立地で表現…アカデミー賞ノミネートのスタッフが語る“半地下と豪邸”の裏側

『パラサイト 半地下の家族』から、アカデミー賞にノミネートされたプロダクション・デザイナー、韓国映画界を代表する撮影監督が裏側を語る特別映像が公開。コメントも到着した。

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『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED 全 16 枚
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第92回アカデミー賞で作品賞、監督賞をはじめとする6部門に堂々ノミネート。米国が製作に入っていないアジア映画が作品賞にノミネーションされるのは史上初、韓国映画のノミネートも史上初と、映画史を変える偉業に王手をかけた『パラサイト 半地下の家族』。この度、同賞にもノミネートされたプロダクション・デザイナー、そして韓国映画界を代表する撮影監督が裏側を語る特別映像が公開された。

>>『パラサイト 半地下の家族』あらすじ&キャストはこちらから

日本でも1月10日から全国公開となった本作は、先行公開時から大きな話題を呼び、全国的に満席が続出する大ヒットスタート。SNS上でも「震えるほどすばらしい映画!」「見終えてすぐに立ち上がれなかった!」「こんな映画体験今までにした事がない」「全力で周りに勧めたくなる最高の映画」と絶賛の声が溢れている。

そんな中、今回到着したのは、ポン・ジュノ監督が絶大な信頼を寄せるスタッフの仕事ぶりに迫る特別映像。撮影監督やプロダクション・デザイナーのインタビュー映像やコメントを交え、世界中を熱狂させている本作誕生の裏側に迫っている。

『哭声/コクソン』などを手掛ける撮影監督とキャストも感服する美術監督


『パラサイト 半地下の家族』パク家1F(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
製作には、監督からの信頼も厚いスタッフの存在が欠かせない。撮影監督を務めたホン・ギョンピョは、ウォン・カーウァイ作品の撮影監督として知られるクリストファー・ドイルの元で経験を積んだのち、1998年に撮影監督デビュー。

現在韓国映画界を代表するシネマトグラファーとして幅広く知られ、ナ・ホンジン監督『哭声/コクソン』('17)やイ・チャンドン監督『バーニング 劇場版』('18)など、日本でも人気のある作品を多く手掛けている。ポン・ジュノ監督とは『母なる証明』('09)、『スノーピアサー』('14)に続く3度目のタッグとなる。

プロダクション・デザイナーのイ・ハジュンは、大ヒット映画『10人の泥棒たち』やジョニー・トー監督『ドラッグ・ウォー 毒戦』、カンヌのコンペティション出品作イム・サンス監督『ハウスメイド』など話題作を多く手掛けるベテラン。ポン・ジュノ作品ではNetflix映画『オクジャ/Okja』に続く2度目のタッグ。本作でアカデミー賞美術賞にノミネートされるという快挙を成し遂げている。どちらも新たな傑作を生みだすべく結集した最高峰のスタッフだ。


ソン・ガンホが「見せた顔はまた新しいもの」


『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
物語は、日の当たらない“半地下”と、高台にある“豪邸”を中心に、豪華キャストのアンサンブルで展開していく。名役者たちの表情を引き出した撮影について、そしてセットのこだわりについて撮影監督ホン・ギョンピョは、「本作は一人の登場人物についての話ではないので、全ての役者の間で本当のエネルギーが生み出され、私たちはたくさん笑いました」と、撮影は活気のあるものだったとふり返る。

『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
「セリフの多い人物中心の映画なので、レンズは執拗に役者の顔を映しているのですが、彼らの新たな一面を見ることができたのは非常に楽しい経験でした。特に、ソン・ガンホは膨大な数の映画に出演してきていますが、この映画で彼が見せた顔はまた新しいものでした」と、名優ソン・ガンホがさらに新しい表情を見せたことに驚いたという。

“半地下”も“豪邸”もセット!「ハエや蚊も実際に飛ばしました」


『パラサイト 半地下の家族』キム家近隣(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
さらに“半地下”や“豪邸”など撮影に使われた多くが、セットで作られている。プロダクション・デザイナーのイ・ハジュンは「最初に私たちが思いついたコンセプトは、高い場所にあるパク家の邸宅と、低い場所に広がる半地下アパートのギテクの家族の家のコントラストでした」と、キム一家とパク一家の格差を立地で表現したとこだわりを明かす。

『パラサイト 半地下の家族』パク家1F(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
「空間にリアリティを求めました。多くの時間を費やして、ソウルの再開発が予定されている古い町並みや、歴史ある集合住宅を歩き回りました。パク家の邸宅は映画の中では有名な建築家によって設計されたものという設定だったので、モダンだけれどエレガントなオープンセットを建て、家具や小物など内装にもこだわりました」と、物語の設定に沿ったよりリアリティなセットを作ることができたと自信をのぞかせる。

『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
街の細部まで精密なコンテを描いて形作った半地下住宅街については、インタビュー映像で「ハエや蚊も実際に飛ばしました。地下特有のカビ臭さを出そうと意識した」と、劇中で重要な鍵となるが映像には映らない“匂い”や雰囲気についてもリアルを追求しながら挑んでいたと語っている。

『パラサイト 半地下の家族』キム家近隣(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
『パラサイト 半地下の家族』は全国にて公開中。

《シネマカフェ編集部》

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