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【インタビュー】『ミッドサマー』アリ・アスター監督、「自分が危機に瀕している方がいいものが書ける」

『ヘレディタリー/継承』で全世界に衝撃を与えたアリ・アスター監督が、最新作『ミッドサマー』を引っさげて来日。スウェーデンの奥地の村で行われる「90年に一度の祝祭」を舞台に繰り広げられる妄想やトラウマ…独特の世界を作り上げた監督が作品に込めた思いを語った。

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アリ・アスター監督『ミッドサマー』/photo:Masakazu Isobe
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『ヘレディタリー/継承』で全世界に衝撃を与えたアリ・アスター監督が、最新作『ミッドサマー』を引っさげて来日。スウェーデンの奥地の村で行われる「90年に一度の祝祭」を舞台に繰り広げられる妄想やトラウマ、不安、恐怖に満ちた出来事…。前作に続き、独特の世界を作り上げたアスター監督が作品に込めた思いを語った。

作品には自分の分身となるようなキャラクターが登場する


不慮の事故により家族を失ったダニー(フローレンス・ピュー)が、微妙な関係になった恋人・クリスチャン(ジャック・レイナー)に誘われてやってきたスウェーデンの奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」。陽気に歌い踊る村人たちの立ち振る舞いから、幸福に満ち溢れた楽園のような雰囲気を見せるものの、どこか不穏な空気も流れる…。やがてある出来事をきっかけに衝撃の事実が次々に明らかになっていく。

『ミッドサマー』(C) 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.
『ヘレディタリー/継承』とは、纏う雰囲気はまったく違うが、登場人物が抱える心の奥底に流れるものは共通点を感じる。アスター監督は「自分が作品の脚本を手掛けるとき、危機に瀕している方がいいものが書けるんです」と笑顔を見せると「両作品とも、自分にとってはパーソナルな内容で、自分の分身となるようなキャラクターがいます。『ミッドサマー』ではダニー、『ヘレディタリー/継承』では何人かに分けています。自分の持つ希望がない感じや、悲しみ、孤独、恐怖心を、キャラクターを通じて表現し、お客さんが何らかのカタルシスを得られるように物語を構成しています」と作品へのアプローチ方法を述べる。

『ミッドサマー』(C) 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.
劇中には前作同様、戦慄のシーンがいくつもあるが、アスター監督はイベント等で何度も「ホラー映画ではないんです」と強調する。その真意について「ホラー映画というラベルをつけてしまうと、それだけで『観ない』という方が一定数います。それはとても残念なことだと思うし、この映画はホラーが好きではない人にも楽しんでもらえる作品なんです」と持論を展開すると「確かに映画のなかには恐ろしいことが起きますが、ほとんどの映画にも恐怖はあります。そもそもこの映画にはホラーというラベルが適していないと思うし、ダークコメディという表現がしっくりくる作品です」と力説する。

『ミッドサマー』(C) 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.
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《text/photo:Masakazu Isobe》

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