※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【インタビュー】『ミッドサマー』アリ・アスター監督、「自分が危機に瀕している方がいいものが書ける」

『ヘレディタリー/継承』で全世界に衝撃を与えたアリ・アスター監督が、最新作『ミッドサマー』を引っさげて来日。スウェーデンの奥地の村で行われる「90年に一度の祝祭」を舞台に繰り広げられる妄想やトラウマ…独特の世界を作り上げた監督が作品に込めた思いを語った。

最新ニュース インタビュー
注目記事
アリ・アスター監督『ミッドサマー』/photo:Masakazu Isobe
アリ・アスター監督『ミッドサマー』/photo:Masakazu Isobe 全 10 枚
拡大写真

色彩へのこだわり “死”の象徴は黄色と青


とは言いつつ、やはり暴力的なシーンや、ややグロテスクな描写は劇中登場する。この点について「そこにはただ恐ろしいという感情を植え付けようとしているのではなく、必然があります。『ミッドサマー』で言えば、ダニーという主人公と同じ経験を観客にも味わってほしいという思いがあるので、そういうシーンが必要不可欠なのです。暴力表現も『ホラー映画だからここまでの描写が必要だ』という考えではなく、あくまでストーリーラインのなかで必然だと思ったものを描いているのです」と説明した。

『ミッドサマー』(C) 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.
本作では、白夜という設定もあるが、非常に開放感溢れる草原のなか、色彩豊かな映像描写も特徴だ。一般的なホラー作品とは大きく異なるような“色味”が存在する。

色彩設計は美術さんや撮影監督と共に決めていきますが、僕の映画作りのなかでは非常に重要な部分です。製作費の関係もあり、すべてイメージ通りに実現できない部分もありました。例えば村の人たちの衣装は、最初白ですが、徐々にカラフルになっていく構想があったのですが、そこは叶いませんでした。でも細部までこだわっており、一つ具体例を挙げれば、今回の作品で“死”を意味する色は青と黄色というモチーフがあります。スウェーデンの国旗と一緒です。映画のなかのいろいろな場所で青と黄色が使われています」。

『ミッドサマー』(C) 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.
「またダニーとクリスチャンの衣装にも注目してほしいです。話が進行するにしたがって、ダニーの衣装は明るく、クリスチャンは色彩がなくなっていきます。ただあまりにも分かりやすいとサブリミナル効果がなくなるので、そのバランスはいつも非常に難しいんです」。

  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3
  5. 続きを読む

《text/photo:Masakazu Isobe》

特集

関連記事

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]