Netflixが牽引するテレビで表現できなかったジャンル!性を赤裸々に語る作品が大人気

競合が増えNetflixは業界をパイオニアとして牽引しながらも、今後は「正念場」としてのフェーズを迎えることは濃厚だ。Netflixだからこそできる新たな創作は、北米に留まらず今後新しいファンを獲得するためにも不可欠だ。

最新ニュース コラム
「セックス・エデュケーション」シーズン2はNetflixにて配信中
「セックス・エデュケーション」シーズン2はNetflixにて配信中 全 13 枚 拡大写真
昨年秋Disney +が参入し、今年5月にはHBO Maxも新たに加わり、北米ではストリーミング戦争とも呼ばれている昨今。Netflixは業界をパイオニアとして牽引しながらも、今後は「正念場」としてのフェーズを迎えることは濃厚だ。

それでもなお、ユーザー数やオリジナル番組のバリエーションは差別化されているとも言え、かつNetflixの作品は世界190か国に字幕(場合によっては吹き替え付き)で一斉配信されることも大きな強みだ。

その中でNetflixジャパンでも先日、CLAMP、樹林伸、太田垣康男、乙一、冲方丁、ヤマザキマリといった日本を代表するクリエーター6名とのパートナーシップを発表。英語圏ではアニメはAnimeとして通じるほど浸透している人気分野で、北米以外の地域からもテコ入れを図っている。Netflixだからこそできる新たな創作は、北米に留まらず今後新しいファンを獲得するためにも不可欠だ。

いままで地上波テレビでは描けなかったジャンルの積極的開拓


「ビッグ・マウス」シーズン3はNetflixにて配信中「ビッグ・マウス」シーズン3はNetflixにて配信中
年間数えきれない程コンテンツを配信する中で、2019年以降、1つの注目分野として挙げるならば「性」を取り扱った作品だ。いままで地上波ではなかなか深く扱うことができなかった「性」についての作品がヒット作となっていることが興味深い。

「性」を扱った作品となると、ポルノ? と思ってしまうがそうではない。過激なセックスシーンを売りにしているわけではない。センセーショナルで過激なシーンが多く、どんでん返しも頻繁に起こる海外テレビシリーズの流行りは終わりを迎えている。いまは、視聴者ひとりひとりの心を代表するようなコンテンツとしての「性」を扱った作品が存在する時代のようだ。

過激な内容がなくても、視聴者の身近な話題を、よりリアルに描くことで共感を得て人気を博している。その「性」を扱った作品の中でもひと際人気なのがドラマ「セックス・エデュケーション」とアニメ「ビッグ・マウス」である。


当事者目線で語られるストーリー


「セックス・エデュケーション」シーズン2はNetflixにて配信中「セックス・エデュケーション」シーズン2はNetflixにて配信中
Netflix USの2019年人気ランキングでも第8位にランクインしたドラマ「セックス・エデュケーション」は日本語に訳すと「性教育」というタイトル。なんとも直球なタイトルだ。

高校生の主人公で童貞のオーティスは学校では冴えないキャラ、という設定まではいままでの学園ものであればよくある設定。ただここからがひと味もふた味も違う。オーティスの母親はセックスセラピスト。ひょんなことから経験もないのに同級生のセックスの悩みをオーティスが請け負うことになる。しかも、このドラマ、知名度のある俳優といえば、主人公オーティスを演じるエイサ・バターフィールドとセックスセラピストの母親を演じるジリアン・アンダーソンくらい。そのほかは新人ばかりだ。

「セックス・エデュケーション」シーズン2はNetflixにて配信中「セックス・エデュケーション」シーズン2はNetflixにて配信中
その上(Netflixユーザー歴が長い人にはお馴染みの)モザイク一切不使用で描いている。クリエーターのローリー・ナンはインタビューで「ティーンの番組だからこそ新人を起用することが重要。ティーンエイジャーが彼らのユートピアにいると仮定して考えるのが好き」と語っている。

新人の器用そのものがオリジナリティにもつながり、いい意味で俳優に対する先入観もなく見れ、且つ新人の出演者たちの役も良ければ演技も良い。加えて、大人が脚本を書いてはいるが、努めてティーンエイジャー目線での制作を心がけている。

ぼかすことなく赤裸々に語られる「性」と人間関係


「ビッグ・マウス」シーズン3はNetflixにて配信中「ビッグ・マウス」シーズン3はNetflixにて配信中
現在シーズン3まで配信中のアニメ「ビッグ・マウス」も同様に思春期の性や人間関係についてコメディタッチで描いている。批評サイト、ロッテントマトで100%と満点を記録。すでにシーズン6まで制作が決まっている人気っぷりだ。

クリエーターのニック・クロールはインタビューで「(『ビッグ・マウス』は思春期の子どもたちが生理になったり、自慰をしたりするシーンが多く登場する。僕たちは、行為や生理現象そのもの以上に、その時子どもたちの頭の中でなにが起きているか、感情面の話を特に伝えようとしている」と答えている。

大人になり、ふと自分の思春期をふり返った時に、ただ難しい年代だったなとふり返るのではなく、その時何をどう感じたか、感情に正面から向き合っているのが「ビッグ・マウス」だ。モザイク仕様の是非はあるだろうが、語り口までぼかす必要はない。地上波だからこそ、これまでぼんやりとしてしか描かれなかった「性」についての話。ティーンエイジャーであれば、興味関心は特に深いがでも公に語られる場もなく、自分だけがこんなに真剣に悩んでいるのではないかと錯覚してしまうことも、とてもよく理解ができる。隣の友達にさえ言いにくい。大人でさえそうだ。

「セックス・エデュケーション」シーズン2はNetflixにて配信中「セックス・エデュケーション」シーズン2はNetflixにて配信中
両作品とも日本では絶対に制作されないだろうオープニングシーンだけでもぜひ見て頂きたい。学校の性教育授業を思い浮かべたらダメだ。「セックス・エデュケーション」にしても「ビッグ・マウス」にしても、人間の生殖機能を語るような話では決してなく、「性」に対して、思春期の多感な少年少女たちが、何を考え何を感じ何に悩み、それとどう向き合うか、その中で周りとどう付き合うかということを、細かく描いている。

大人の視聴者でさえ「こういうことで悩んでたよな」と思うシーンが多数なので、(お茶の間で見ることは少し気が引けるかもしれないが)現役ティーン世代には刺さりまくる内容ではないだろうか。

《キャサリン/Catherine》

特集

この記事の写真

/
友だち追加