【気になる隣の男子】台湾が舞台の2作品で多彩な表情を見せるシー・チーティエン

台湾は瑞々しい青春映画の宝庫。現在活躍している台湾のスターの中には、青春映画で見いだされ、花開いた人が目立ちます。今回は、やはり台湾の青春映画で注目され、現在日本で公開中の作品でもきらりと光る存在感を見せる石知田(シー・チーティエン)をご紹介します。

韓流・華流 コラム
『悲しみより、もっと悲しい物語』
『悲しみより、もっと悲しい物語』 全 8 枚
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台湾は瑞々しい青春映画の宝庫。現在活躍している台湾のスターの中には、青春映画で見いだされ、花開いた人が目立ちます。今回は、やはり台湾の青春映画で注目され、現在日本で公開中の作品でもきらりと光る存在感を見せる石知田(シー・チーティエン)をご紹介します。

フォトジェニックな魅力


人情味豊かで台湾の美食もつまった『恋恋豆花』は、観ればきっと旅に出たくなる映画。恋も人間関係も上手くいかない大学生・奈央(モトーラ世理奈)が台湾を訪れ、人との関わり方を見つめ直していきます。奈央が旅の途中で出会い、楽しい時間を共にする現地の俳優役で出演しているのが石知田(シー・チーティエン)です。

『恋恋豆花』(c)2019「恋恋豆花」製作委員会
1990年生まれの29歳、台北市生まれ。台湾の最高学府・台湾大学で土木工学を学び、在学中に出演した短編映画をきっかけに俳優の道に進んだちょっと変わった経歴の持ち主。2015年『若葉のころ』で主人公の高校時代を演じ、鋭い眼差しが鮮烈な印象を残しました。フォトジェニックな容貌は、モデルとしても活躍するモトーラ世理奈との相性もばっちり。2人で写真撮影に興じるシーンには目を釘付けにする吸引力があります。

シネマカフェのインタビューに、こんな感想を寄せてくれました。「今関あきよし監督(『アイコ十六歳』など)とはもともと友人。この映画に参加して、違う角度から台湾の文化を見つめ直し、ありふれたことだと思っていたものが新鮮に感じられました。モトーラさんは映像の中でとても観客を引きつける力を持った人。第一印象は“眠そう”だったのですが(笑)、とても真剣に取り組んでいました」

繊細さとクレバーさを併せ持つ


『恋恋豆花』は本人役でしたが、チーティエンの演技力がよく分かる作品『悲しみより、もっと悲しい物語』も4月3日に公開を迎えます。家族を失った孤独な少年が、自分によく似た境遇の少女と運命的に出会い、人を愛するよろこびを知っていく様子を繊細に演じています。複雑な少年の気持ちをどう自分のものにしたのか尋ねると、とても明快な答えが返ってきました。

石知田(シー・チーティエン)/写真提供:祖與占影像製作
「この役の準備をする時に思い浮かんだのは、大学時代に読んだ(直木賞作家)白石一文さんの小説『一瞬の光』です。そこには、人を愛することは自分を愛することであり、自分を愛さなければ人を愛せない。だけど、人を自分以上に愛して、初めて本当に自分を愛することができると書いてあった。その文章を思い出したとき、役柄のひな形が自然とできてきました」

共演してみたいのは染谷将太


白石一文の小説の引用がさらりと出てくるあたり、日本の文化にも関心が高いことが分かります。日本映画もよく観るようで、機会があれば仕事をしてみたい監督を聞くと「本当に大勢いる」と前置きしたうえで、是枝裕和監督の名前を挙げてくれました。「大学時代に『誰も知らない』を観て衝撃を受け、その後、『海街diary』のメイキングや監督の著書を読み、謙虚で思いやりのある人柄に尊敬の念を覚えました。共演してみたい俳優なら、染谷将太さんですね。『ヒミズ』のお芝居が好きで、独特の魅力と深みのある俳優だと思います。年齢も近いので、交流する機会があればいいな」

石知田(シー・チーティエン)/写真提供:祖與占影像製作
「将来チャンスがあれば監督もやってみたい。もちろん、俳優としてしっかり足場を固めてからですが」と言うチーティエン。話の端々から勉強家で仕事に情熱を持っていることが伝わる。普段から様々な映画を観て、時折感想をインスタグラムにアップしているが、「今一番好きな映画は『ペパーミント・キャンディー』」だそう。「改めて見直したのですが、生きることの意味を問うこの作品はやはり味わい深いですね」

現在、台湾では主演映画『失路人』(原題)が公開中で、さらに今年はもう1本、レイニー・ヤン主演『靈語』(原題)の公開も待機しています。現在はテレビドラマの撮影中と着実にキャリアを重ねているシー・チーティエン。今後の活躍に注目してください。

『恋恋豆花』は新宿ケイズシネマほか全国にて順次公開中。
『悲しみより、もっと悲しい物語』は4月3日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。

《text:Rie Nitta》

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