芸能人にもパラレルキャリアを作ることができないかなと
――コミュニティサイトを立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。
具体的にコミュニティサイトを作ろうと明確になったのは、去年の秋くらいですね。子どもの頃から芸能の仕事をしていて、それこそ俳優さん、舞台役者さん、アーティスト、スポーツ選手といった著名人と言われる人たちと関わるようになって。いわゆる名前で仕事をする人たちって、良い時期はそれでいいんですけど、少し露出が減っただけで「あいつ消えたね」「いま何やってるの?」と言われてしまいがち。傷つくのは本人で、プライドと戦ったり、折り合いをつけることで、心が折れてしまったり。そういう姿をいっぱい見てきたんですよ。

――そういったご経験が、コミュニティサイトの立ち上げにつながったと。
はい。何が言いたいかといえば、そこ(目に見える芸能活動)だけじゃなくて、もっと収入を得る手段を分散して…、いわゆるパラレルキャリアと言われる時代ですけど、そういうものを持っているほうが、本業も活きるんじゃないかと。僕自身もそうしているし、いまは以前よりも伸び伸びと仕事できるようになったなと。切羽詰まっていないという部分も良い面があって、そういった自分の経験を通して、芸能人にもパラレルキャリアを作ることができないかなと思うようになって。そこをずっと考えていたんです。

――いわゆる副業とは違う、と考えるべきでしょうか。
子役時代から、周りにいる大人の役者さんを見ていると、役者だけやっている人もいれば、居酒屋やっていますという人もいて。最近だと普通に企業に勤めながら、舞台公演があるときだけ、休暇を取るという人にもお会いしました。それは(舞台などを見る)お客さんが良ければ、それでいいわけだし、それが恥ずかしいことじゃなくて、逆にむしろ「いろんな才能があるんだ」と思える時代になってきたと思うんですよ。最初は名前貸しで始めて、直接製造に関わらなくても“監修”という形で、企業とコラボレーションするのもすごく重要な役割。その先に、もっと自分でプロデュースしたりとか、自分の会社でやっていくとか、そういう感じもいいんじゃないかなと。
