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人気俳優パク・ソジュン主演!青春“反撃”ドラマが大ヒット「梨泰院クラス」の魅力

Netflixにて配信中の「愛の不時着」で韓国ドラマにハマった方々が、おそらく次に見始めたとおぼしき「梨泰院(イテウォン)クラス」が、これまた大ヒットとなっている。

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Netflixにて配信中の「愛の不時着」で韓国ドラマにハマった方々が、おそらく次に見始めたとおぼしき「梨泰院(イテウォン)クラス」が、これまた大ヒットとなっている。

人気俳優ヒョンビンとソン・イェジンによる“ギャップ”ロマコメとは打って変わって、「梨泰院クラス」は、数々のヒットドラマでナルシストの御曹司や元格闘技選手などを演じて“ラブコメ神”との異名をとる主演パク・ソジュンが、学歴も、お金も、家族もない若者に扮して成功を目指し、大企業に復讐を果たそうとする青春群像ドラマ。しかも、『パラサイト 半地下の家族』が露わにした格差社会を背景に、個性豊かな若者たちが“自分の人生”のために必死で駆け上がる姿が幅広い世代の心をとらえている。


名作の宝庫・WEB漫画が原作!人気俳優パク・ソジュンが“いがぐり”頭に!?




原作は、“ウェブトゥーン”と呼ばれる韓国のWEB漫画。原作者のチョ・グァンジン自ら脚本を手がけ、ポン・ジュノ監督×ソン・ガンホ『グエムル 漢江の怪物』や、ソン・ガンホ主演『タクシー運転手 約束は海を越えて』、ヒョンビン主演『スウィンダラーズ』など、実際にあった事件や社会問題を盛り込んだエンタメ作品が得意の映画配給会社「SHOWBOX」が初めて制作したテレビドラマ。

本国では1月より放送され、高視聴率で3月21日(土)に最終回が放送。3月28日(土)からNetflixで配信されると、「愛の不時着」をしのぐ勢いで日本の「TOP10」を賑わせている。

「梨泰院クラス」はNetflixにて配信中
すでに紙ベースの漫画を追い抜いているといわれる韓国のWEB漫画は、日本と同様、人気作品となれば映像化されるケースは数多い。“韓国サラリーマンのバイブル”と称された同名WEB漫画を原作にした「ミセン~未生」(14/ユン・テホ)は社会現象となり、「Hey! Say! JUMP」中島裕翔主演で「HOPE~期待ゼロの新入社員~」として日本でもリメイクされた。

同じ原作者の『インサイダーズ/内部者たち』はイ・ビョンホン主演で映画化。昨年大ヒットした『神と共に』シリーズや、「愛の不時着」でもオマージュされた映画『シークレット・ミッション』、シーズン2の制作が決定したNetflixシリーズ「恋するアプリ Love Alarm」、チュ・ジフンやリュ・スンリョン、ペ・ドゥナなどが出演するゾンビパニック時代劇「キングダム」など、そのジャンルも多岐にわたる。

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아니 이제 일주일??

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そんな今作で主人公パク・セロイを演じるのは、『パラサイト』でキム家の長男ギウ(チェ・ウシク)をリッチなIT企業社長パク家に引き合わせた張本人、大学生のミン役を務めたパク・ソジュンだ。

ドラマ「彼女はキレイだった」(15)「花郎<ファラン>」「サム、マイウェイ~ 恋の一発逆転!~」(ともに17)「キム秘書はいったい、なぜ?」(18)ほか、映画『ビューティー・インサイド』(16)や『ミッドナイト・ランナー』(17)など話題作に出演し、日本に公式ファンクラブもある人気若手俳優のひとり。次回作は、韓国歴代興行収入第1位を記録した『エクストリーム・ジョブ』イ・ビョンホン監督の新作という。

身長185cm、“10等身”のモデル並のスタイルで、野球選手を目指していたというスポーツマンでもある彼が、今作では原作の主人公に寄せる形で“いがぐり”頭に大変身。困惑したときや、感情を必死に抑え込んでいるときなどに、そのいがぐり頭を自分でペシペシ、ぐりぐりとする姿は色気すらあり、愛おしくなってしまう。

パク・ソジュンのYouTubeチャンネル「Record PARK's」
ちなみに、『パラサイト』のチェ・ウシクとは実生活でも親友で、アカデミー賞授賞式をTVで見守る様子も彼のInstagramにはアップされている。BTS(防弾少年団)のVことキム・テヒョンらも交えた彼らのグループは「ウガウガ会」としてファンにはおなじみ。

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ドラマ「花郎<ファラン>」で共演して以来、パク・ソジュンと親交を深めたVが手がけた「Sweet Night」は劇中終盤を彩る、しっとりとした癒やしのバラード。韓国の主要チャートはもちろん、いまやアジア各国、アメリカのiTunesトップチャートなどを席巻中だ。

本楽曲をはじめ、物語・キャラクターと見事にシンクロしたエモーショナルで、クールなOST(ドラマのオリジナルサウンドトラック)は、今作の大きな魅力のひとつ。躍動感にあふれたGahoの「始まり/Start」(原題)は主人公パク・セロイのポジティブな姿勢にぴったり、朝イチに聴きたくなる曲。タイトルからしてセロイの生き様そのもの(?)「石頭/Rock」(原題)は、ロック調のサウンドが腹の底から湧き上がる彼の怒りを表しているようで、宿敵に立ち向かう彼の力強さにハマる。


韓国の六本木+渋谷を舞台にした、現代の青春群像劇



原作となったWEB漫画は、「六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~」というタイトルで日本向けに設定変更され、「ピッコマ」でも配信されている。このタイトルが示すように、「梨泰院(イテウォン)」とは地名のこと。大都市ソウル随一の繁華街で近隣に大使館が多く、米軍基地が近いことなどから国際色豊かで、ソウルタワーを臨む陸橋が劇中何度も登場するなど、まさに六本木のようなイメージ。さらに、通り沿いに店が隙間なく立ち並ぶ様は渋谷センター街のような雰囲気もある。原作者チョ・グァンジンが経営する居酒屋も梨泰院にあるという。


そんな今作で主人公パク・セロイは、苦くてつらい過去と犯罪歴を背負いながら、梨泰院に“甘い夜”という意味の居酒屋「タンバム」をオープンさせ、“はみ出し者”の仲間とともに強大な敵に立ち向かい、大きな夢の実現を目指していく。

彼の復讐のターゲットとなるのは、チャン・デヒ会長が率いる飲食業界のトップ企業・長家グループ。転校初日、同級生をいじめていた会長の息子を殴り倒したことが原因でセロイは高校を退学。長家グループに勤めていた父は職を失い、さらに交通事故で亡くなってしまう…という“韓流ドラマあるある”の悲劇が連続。演じる名優ユ・ジェミョンの凄みも相まって、チャン会長の徹底的な“悪役”ぶりが目を引く。

「梨泰院クラス」はNetflixにて配信中
やがて、宿敵チャン会長の自叙伝から起業や商売の真髄を学び、「人と信頼」をモットーに様々な人脈と秘策を駆使して、反撃を始めるセロイ。さらに、中卒で前科者の熱血“不器用”男セロイを取り巻く若者たち、それぞれの思いが、彼の復讐劇に大きな影響を与えてゆくことに。

「梨泰院クラス」はNetflixにて配信中

チョ・イソ(キム・ダミ) IQ162の天才、“いがぐり頭”に恋


あるきっかけから「タンバム」のマネージャーとして採用された、IQ162の天才で、SNSのフォロワー76万人というインフルエンサー、チョ・イソ。良心の呵責を感じにくいソシオパス傾向があり、「名門大学を出て、大企業に就職、財閥出身の男性と結婚」という母の教えには全く興味なし。何に対しても本気になったことのない、満たされない思いを抱えていた彼女はセロイと出会い、初めて胸がときめく。

「梨泰院クラス」はNetflixにて配信中
演じるのは、『新しき世界』のパク・フンジョン監督作『The Witch/魔⼥』で、覚醒するアサシン少⼥を鮮烈に演じて新人賞を総ナメにしたキム・ダミ。今作でファン層をさらに広げ、日本でもおなじみの女優となるはず。

オ・スア(クォン・ナラ) 同情はいらない…セロイの初恋の人


長家グループが支援していた施設で育ち、セロイの亡き父ソンヨルを慕っていたオ・スア。プライドが高く自立心に溢れ、長家に入社してキャリアウーマンとなる。演じるのは、チ・チャンウク「あやしいパートナー」にも出演していた元「HelloVenus」のクォン・ナラ

「梨泰院クラス」はNetflixにて配信中

チャン・グンス(キム・ドンヒ) チャン会長の次男、イソに片思い中


チョ・イソに片思いする、優しい男子。チャン会長の次男だが、愛人の子であるため10代で家から独立。演じるキム・ドンヒは、「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」にも出演した新鋭で、4月29日Netflix配信開始の「人間レッスン」にも起用され、期待を集めている。

「梨泰院クラス」はNetflixにて配信中

チャン・グンウォン(アン・ボヒョン) 典型的なダメ御曹司


わがままでキレやすく、トラブルメイカーとなるチャン家の長男。すべてはこの男から始まった。スアに思いを寄せるが見向きもされず。本来の姿は父の“調教”に怯えるヘタレ。アン・ボヒョンはドラマ「太陽の末裔」で注目された。

マ・ヒョニ(イ・ジュヨン) 「タンバム」の調理担当


セロイが開店資金を貯めるため、工場で働いていたときに出会った。ヒョニのジェンダー・アイデンティティが鍵となるエピソードは感涙必至。演じたイ・ジュヨンは、ヤン・イクチュンらが出演の第21回釜山国際映画祭オープニング作品『春の夢』で映画デビューし、第14回大阪アジアン映画祭グランプリ作品『なまず』といったインディーズ映画で活躍。今作でも特に熱い視線を送られている。

チェ・スングォン(リュ・ギョンス) セロイに恩義あるホールスタッフ


けんかっ早い元ヤクザだが、刑務所で出会ったセロンに影響されて改心。ヒョニといいコンビで、実はとても情に厚い男。リュ・ギョンスは映画『ミッドナイト・ランナー』や「2PM」ジュノ主演「自白」に出演。

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そのほか、アフリカ・ギニア出身で韓国語ペラペラ、「自分は韓国人だ」と揺るがないキム・トニー(クリス・ライアン)や、いじめられっ子からファンドマネージャーとなるイ・ホジン(イ・デイビッド)が登場。

梨泰院の生き字引(?)であるBarのマスター役には、実際に梨泰院に店を持つ実業家でタレントのホン・ソクチョン。「雲が描いた月明かり」で今作のキム・ソンユン監督と組んだパク・ボゴムも、爽やかにカメオ出演する!

加えて韓国映画ファンには、ムキムキになる前のマ・ドンソクも出演していた『悪のクロニクル』(15)で、“罪を犯した”ベテラン刑事と“彼を慕う”新米刑事として共演した名優ソン・ヒョンジュとパク・ソジュンが親子という点も胸アツ。しばしば回想で登場するヒョンジュさん演じる父とのやりとりは、涙なしには見られない。


「自分の価値は自分が決める」…『パラサイト』への痛烈なリプライ


「梨泰院クラス」はNetflixにて配信中
『パラサイト』でキム一家の父を演じたソン・ガンホはシネマカフェのインタビューで、誰もが愕然としたクライマックスの展開を「これぞ、正解だ」と感じたという。「なぜなら、私たちが生きる現実世界は、映画のクライマックスをも上回るほど、残酷で冷酷だからです」。

そう、現実はあまりにもつらく、残酷だ。今作のセロイのような何も持たざる者が国内トップ企業に挑み、復讐しようとするなんて無謀、不可能といっていい。現実世界ならば、“銀のスプーン”をくわえて生まれてきた長家グループ御曹司のグンウォンは何事もなく、他者を蔑みながら(父の影に怯えながら)トップに君臨し続けるだろうし、『パラサイト』のパク家もどこかでまた同じような暮らしを(トラウマを抱えながら)続けていくだろう。一方のキム家は、一生、あの半地下から抜け出すことはできないだろう。

それでも、今作は経済や学歴の格差などによって、あらかじめ“定められてしまった人生”にも反旗を翻す。長家グループのデヒ会長は、刑務所に収監されたセロイに向かって「信念や気合いは弱者の強がりに過ぎない」と言い放つが、セロイは信念を胸に、傍目には恵まれた環境を放棄したイソをはじめ、様々な境遇やジェンダー、人種を越えて結ばれた仲間たちとともに“自分の人生”を生きようとする。

「梨泰院クラス」はNetflixにて配信中
「権力者や不当なことに振り回されたくない」「自分の価値は自分で決める」「お前はお前だから 他人を納得させなくていい」――。

セロイが仲間に語りかける言葉が身に沁みて仕方がないのは、それが生きづらさを抱えた者たちの、万国共通の、人間としてごく当たり前の本音でもあるから。セロイたちの下剋上は、精神的にも、奇しくも物理的にも閉塞感に包まれたいまだからこそ余計に、カタルシスのあるストーリーとして観る者に等しく、優しく響いていく。

《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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