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【おうちで傑作レビュー】どこまでが許される?正義とは何か――重い“問い”が観る者の心を貫く『ザ・レポート』

毎回、オススメの配信作品をご紹介する本企画。今回はAmazon Originalの映画『ザ・レポート』です。

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『ザ・レポート』はAmazon Prime Videoにて独占配信中
『ザ・レポート』はAmazon Prime Videoにて独占配信中 全 4 枚
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text:SYO

毎回、オススメの配信作品をご紹介する本企画。今回はAmazon Originalの映画『ザ・レポート』です。

本題に入る前に――。皆さんは、普段どんな映画が好きですか? 多分、「重くてしんどいもの」と答える方は少ないのではないかと思います。見ごたえがスゴくても、ヘビーな映画は敬遠しがち。なので! 今回はあえて、おうち時間がたっぷりある今だからこそ“挑戦どき”な、心をえぐる本作を選びました。

『ザ・レポート』は、「9.11の捜査中に、CIAが拷問を行っていた」事実の調査を任された上院の職員が、恐るべき真実を知る物語。要は、国家直属の情報機関が想像を絶するほど非人道的な行為をしていたことがわかってしまい…という実話ベースの政治サスペンスです。ある種『ゼロ・ダーク・サーティ』と対立する映画、といえるかもしれません。

Amazon Prime Videoにて独占配信中
新型コロナウイルスが蔓延する今を“予見”した映画として話題の『コンテイジョン』や、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の脚本、『不都合な真実』の製作を手掛けたスコット・Z・バーンズが監督・脚本・製作を担当。アダム・ドライバーとアネット・ベニングの演技派ふたりが共演しています。このメンバーだけでも、かなりの見ごたえが期待できますね。

この映画の見どころは、とにかくハードな描写。ただグロい映画や過激な映画ならごまんとありますが、「正義の名のもとにこんなことをやっていたのか…」という衝撃性で頭が真っ白になります。濡れたタオルを顔に押しつけ、溺死寸前まで水をかけ続ける拷問、容疑者を全裸にし、ヘビメタを大音量をかけ続ける拷問、大量の虫と一緒に箱に閉じ込める拷問…。CIAは「米国内にいる工作員」と「次の攻撃はいつか」を聞き出すため、ありとあらゆる非人道的な手段を講じます。

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正義とは何なのか? どこまでが許されるのか? どうやって裁けばいいのか? この重い“問い”が、観る者の心を鋭く貫くことでしょう。気持ちのいい映画かといえば、そうではありません。ただ、並々ならぬ覚悟と信念を持って作られた映画です。この作品自体が、米国への「内部告発」を意味するのですから。

ちなみに、本作を手掛けたアマゾン・スタジオは、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』や『ビューティフル・ボーイ』、リメイク版『サスペリア』、『COLD WAR あの歌、2つの心』など優れた作品を次々と放っています。『ザ・レポート』は、その“ブランド”の名に恥じぬ力作といえるでしょう。

《text:SYO》

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