厳選作品が映画好きの「観たい」を刺激する!配信系ミニシアター「ザ・シネマメンバーズ」を使ってみた

選りすぐりの名作・傑作ばかりで、“迷わないサブスク”として一目置かれる「ザ・シネマメンバーズ」に注目。

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「海辺のポーリーヌ」(C)1983 LES FILMS DU LOSANGE-LA C.E.R.
「海辺のポーリーヌ」(C)1983 LES FILMS DU LOSANGE-LA C.E.R. 全 8 枚
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Netflix、Hulu、Amazon Prime Videoなどに代表される、いわゆる“サブスク”と呼ばれる定額制の動画配信サービス(SVOD、Subscription Video On Demand)。現在のコロナ禍のように映画館に行くことが難しい場合はもちろん、レンタルショップにわざわざ出向かなくても旧作から新作まで気軽に触れられるのが何と言っても魅力。

とはいえ、あまりにも膨大な動画リストやラインナップ表を前に「何を観たらいいのか分からない…」となることも多いのでは? そこで今回は、選りすぐりの作品ばかりで、“迷わないサブスク”として一目置かれる動画配信サービス「ザ・シネマメンバーズ」に注目してみた。

厳選!こだわりのセレクトで手の届かなかった1作が身近に


『愛がなんだ』『his』『mellow』などで知られ、最新作『街の上で』の公開も待たれる今泉力哉監督が、“選択肢が超少ない”のに“ハズレがない”ことから唯一加入している動画配信サービスとしてテレビ番組で紹介したこともある「ザ・シネマメンバーズ」。その大きな特徴はヌーベルヴァーグの代表作やアジアの巨匠の初期作など、映画好きならばぜひ観ておきたい作品に注力し、作品を厳選していること。

「飛行士の妻」(C)1981 LES FILMS DU LOSANGE.「飛行士の妻」(C)1981 LES FILMS DU LOSANGE.
いずれも現状、大手配信サービスではあまり取り扱いのない映画ばかり。また、往年の名作を特集上映するミニシアターはあれど、なかなか特集上映には都合が合わなかったり、あるいは作品自体に敷居の高さを感じて、ちょっと気後れしてしまうこともしばしば。「ザ・シネマメンバーズ」では、独自の視点を持ってセレクトされた作品を配信で気軽に鑑賞でき、いわばデジタル上のミニシアター的役割を担っている。

様々なデバイスに対応


パソコンからは「ザ・シネマメンバーズ」WEBサイトで、スマートフォン・タブレットからは無料の「ザ・シネマメンバーズ」専用アプリで、メールアドレスなどの基本情報を入力してカンタン会員登録。月額500円(税抜)で全ての作品、イントロダクションなどの記事も楽しめる。Fire TV/Fire TV Stick/Chromecastの利用者であれば対応するTVでも鑑賞できる。

ほとんどの作品がダウンロードもできるので、しおりを挟んで長編小説を読むような感覚で映画を好きなときに楽しむことができる。ワンコインで、時間と場所を選ばずに配信系ミニシアターを楽しむことができるのは貴重だ。

厳選=迷わない、選択肢が超少ないサブスク


「ザ・シネマメンバーズ」で配信される作品は決して多くはない。だが、裏を返せば語り継がれるような名作・傑作しかないので、どれから観始めても損はなし。「ヌーベルヴァーグに初挑戦したい」「この監督の作品を観てみたかった」といった、さらに手を広げたい映画好きにこそオススメ。

「ザ・シネマメンバーズ」をみてみる

じっくり観たかった!気になる作品3選



オススメ作品1:エリック・ロメール『海辺のポーリーヌ』


「海辺のポーリーヌ」(C)1983 LES FILMS DU LOSANGE-LA C.E.R.「海辺のポーリーヌ」(C)1983 LES FILMS DU LOSANGE-LA C.E.R.
ゴダール、トリュフォーと並ぶヌーヴェルヴァーグの支柱エリック・ロメールが1980年代に手がけた「喜劇と格言劇」シリーズ3作目。フランスの避暑地、15歳の少女ポーリーヌは離婚間近の従姉・マリオン、その元恋人のピエール、プレイボーイの民俗学者アンリら大人たちの入り組んだ恋愛模様と各々の恋愛哲学に触れながら、自分もちょっと恋をしてみる。

「海辺のポーリーヌ」(C)1983 LES FILMS DU LOSANGE-LA C.E.R.「海辺のポーリーヌ」(C)1983 LES FILMS DU LOSANGE-LA C.E.R.
オールロケによる自然光、夏の終わりのどこか物憂げなノルマンディーの風情や、グザヴィエ・ドランの『マティアス&マキシム』などを想起させる色彩のマリンルックがHDリマスター版で蘇り、今年最後のバカンス気分も味わえそう。

『海辺のポーリーヌ』を観る

オススメ作品2:ホン・サンス『正しい日 間違えた日』


『正しい日 間違えた日』(C) 2015 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.『正しい日 間違えた日』(C) 2015 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.
もはや公然の関係となっている韓国の名匠ホン・サンス監督と、彼のミューズである『お嬢さん』キム・ミニが初めて組んだ2015年の作品。偶然の出会いから男女の関係が進展したり、不穏になったり、何も起こっていないようで何かが起こっていく様を会話劇で魅せるところが“韓国のエリック・ロメール!?”とも言われる理由。

キム・ミニとの出会いはホン・サンス自身の私小説のような作風をも変えてしまったらしく、例えば『パラサイト 半地下の家族』イ・ソンギュン、『82年生まれ、キム・ジヨン』チョン・ユミが共演する『教授とわたし、そして映画』など、「キム・ミニ以前」の作品と比べてみても面白い。

『正しい日 間違えた日』を観る

オススメ作品3:ダルデンヌ兄弟『ロゼッタ』


「ロゼッタ」(C)Les Films du Fleuve「ロゼッタ」(C)Les Films du Fleuve本作『ロゼッタ』(1999)と『ある子供』(2005)でカンヌ国際映画祭パルムドールを2度受賞し、最新作『その手に触れるまで』(2019)では監督賞を受賞したジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟。本作では、酒びたりの母親とトレーラーハウスで暮らす少女ロゼッタがまっとうな仕事と生活を手に入れるため、たった1人で過酷な現実に立ち向かう。

ドキュメンタリーのように手持ちカメラで追われるロゼッタの背中を観ていると、20年以上前の作品ながら、若者を取り巻く労働と貧困などの問題は少しも変わっていないことを目の当たりにする。映画初出演でカンヌ女優賞を手にしたエミリー・ドゥケンヌの存在感は圧巻。

『ロゼッタ』を観る

フェリーニから『悪魔のいけにえ』まで珠玉のラインナップ続く


『クーリンチェ少年殺人事件』(C)1991Kailidoscope
日本の配信サービスで唯一ともいえるエリック・ロメール×ホン・サンスの作品比較に加え、エドワード・ヤンやツァイ・ミンリャンといった台湾ニューシネマの担い手の集結も貴重な「ザ・シネマメンバーズ」。

これから12月には、フェデリコ・フェリーニ『8 1/2』、ベルナルド・ベルトルッチ『暗殺のオペラ』、ミケランジェロ・アントニオーニ『夜』とイタリアの巨匠たちや、ホラー映画の巨匠トビー・フーパーによるスプラッターホラーの金字塔『悪魔のいけにえ』も登場。アート系の映画を見るように「悪魔のいけにえ」を観てほしいという斬新なセレクトだ。
「エル・スール」(C) 2005 Video Mercury Films S.A.「エル・スール」(C) 2005 Video Mercury Films S.A.
1月には、スペインの寡作の名匠ヴィクトル・エリセ『ミツバチのささやき』『エル・スール』ほか、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞のラヴ・ディアス監督『立ち去った女』、『心と体と』イルディコ・エニェディ監督のカンヌ国際映画祭カメラドール受賞作『私の20世紀』を順次配信。特にヴィクトル・エリセの2作品はミニシアターブームの中で脚光を浴びながらも、配信ではなかなか観られなかった作品なので要チェック。他ではない豊かな映画体験がザ・シネマメンバーズでは得られそうだ。

「ザ・シネマメンバーズ」をみてみる

《text:cinemacafe.net》

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