作品はみんなで作るもの

作品のために――。キャスト、スタッフ皆が持つ共通認識。互いを信頼し尊重し合う関係。吉田さん自身も「お仕事をいただくことが困難だった時期は、作品に出演するだけで嬉しかったし、出たからには爪痕を残さなければいけないという思いが強かった」と語ると「でもやっぱりモノを作ることって一人ではできない。作品を重ねるごとに、その思いは強く感じられるようになりました。当たり前のことなのですが、その当たり前を、皆さんが普通にやっている現場は素敵ですよね」と笑顔を見せる。
吉田さんにとって、捜査一課の同僚たちはマスト。絶対に欠かせない存在だという。「第2シーズンのお話があったとき、私はプロデューサーさんに『もしこの先シリーズ化することになっても、新鮮さを求めてメンバーを入れ替えたり、追加したりすることはやめてほしい』とお願いしたんです」。
百合さんは一生演じていきたい役

本作は、新型コロナウイルス感染拡大の余波を受け、約2か月間撮影が中断した。再開後も、感染症対策を徹底することをはじめ、以前とは現場も大きく変わった。
「どうなってしまうんだろうという思いはありましたが、現場に戻ると自粛前と変わらない皆さんがいました。逆に『絶対撮り切るんだ』という強い熱意がすごく、そういう空気を感じていると、いい意味でこだわりの強いプロ集団であるこのチームで撮影がしたい、絶対終わらせたくないという気持ちが湧いてきました」。
いまや作品が途切れることない売れっ子女優であるが、自粛期間を経ての現場では「これが最後になるかもしれない」という危機感を意識するようになったという。

一方で、大泉洋さんとリモートで芝居をした「2020年 五月の恋」など、こんな時期だからこそという発想でできあがったドラマも誕生した。「どんな状況でも発想の種は転がっているなと。作品を観て『面白かった』と言っていただけた方もいて、改めてエンターテインメントの力を再認識させられた時間でした」。
知恵とアイデア、チームワークで、高いクオリティを保ったまま完成した「コールドケース3 ~真実の扉~」。これまで数々の作品で印象に残る演技を披露してきた吉田さんにして「『コールドケース』は私にとってのホーム。戻るべき場所なんです」と断言する。
ほかの作品を撮影していても、「コールドケース」に戻ってくればホッとする。続編が決まれば、それがモチベーションとなり、別の仕事も頑張れる――。
「百合さんは私がやった役のなかで、その後の人生が観たいと思える数少ない役柄なんです」と特別な存在であることを明かすと「できるなら一生百合さんを演じていきたいという気持ちがあります。それと同時に今シリーズのラストの百合さんで終わった方が美しいのかなという思いもあります。いずれにしても百合さんはずっと私の中で生き続けます」。