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先の読めない「まさか」な展開、土屋さんの新しい扉を開いた演技、小春と再婚することになる開業医の大悟役・田中さんのいびつな佇まいが三位一体となり、物語への没入感をより強くする。…そして、ゾッとさせる。
撮影に入る前、キャスティングの時点で「面白い映画になれる自信があった」と話したのは、脚本・監督を担った渡部亮平。渡部監督に、キャスティングの裏話もまじえ、怒涛のストーリー展開や込めた想いなど、ネタバレも“あり”で語ってもらった。
自信があった脚本、思い通り撮れた手ごたえ「いい意味で、奇跡を信じず撮った」

――シンデレラ・ストーリーのその先を描く、新たな着眼点の映画になりました。脚本を書いているときから「いい作品が撮れそう」な予感はしていましたか?
脚本を書き終えて読むと、いつも割と「我ながらいいな、自信あるかも」と思うんです(笑)。けど、時間が経つと「本当は僕にしかわからないのかな…?」と、不安になってしまったりもして。ただ、今回は田中さんと会ってしゃべったとき、「脚本、めちゃくちゃ面白いです!」と言ってくれたので、よかったなと胸をなでおろしました。本当にラッキーだったのが、オリジナルで、ちゃんとエンターテインメント性と作家性を尊重してくれる作品を作れたことですね。いろいろ挑戦しました。

――いざ撮り始めてからは、工夫されたり、プラスオンした箇所もありましたか?
いえ、特にありませんでした。「意外と思い通り撮れたな」という手ごたえがあります。もちろん、どうしても時間的・予算的にできなかったことはありますけど、代案を考えてはいたので、脚本という設計図を信頼して組み立てていく感覚を持ち、現場で撮っていました。
――もともと、そういうタイプなんですか?
そうですね。ちゃんと準備した上でやりたい、というタイプです。いい意味で、奇跡を信じず撮っていったというか。いいものにするための準備をちゃんとして、現場に入ったので、思い通りに撮れました。