街の雰囲気さえも演出にする気鋭監督の最新作に酔いしれたり、思いもよらない設定やストーリーに脳内をかき乱されたり…ときには、語り継がれるカルト作がミニシアターから生まれることも。そこで今回は、3月以降の注目作をピックアップしてみた。
『フィールズ・グッド・マン』ヘイトシンボルになったカエルを取り戻せ!
3月12日(金)よりユーロスペース、新宿シネマカリテほか全国順次公開

漫画「ボーイズ・クラブ」に登場し、大人気となったカエルの主人公ぺぺ。だが、いつからかペペのセリフ「feels good man(気持ちいいぜ)」が“ネットミーム”として悪用されはじめ、2016年の米大統領選時には匿名掲示板「4chan」で人種差別や白人至上主義のイメージとともに大拡散。ADL(名誉毀損防止同盟)からヘイトシンボルとして正式認定されてしまう。
本作は、ぺぺの生みの親であるアーティスト、マット・フューリーが改変・乱用されてしまったぺぺのイメージを“取り戻す”ドキュメンタリー映画。
ココが見どころ
本来、お気楽なキャラクターだったはずのカエルのぺぺ。世を覆うヘイトの象徴となってしまった愛すべきカエルを取り戻すべく、マットの友人であるアーサー・ジョーンズ監督が立ち上がり、サンダンス映画祭2020で審査員特別賞新人賞を受賞。マットのパートナーであるアイヤナ・ウデセン、Netflix「ボージャック・ホースマン」「トゥカ&バーティ」のリサ・ハナウォルトら気鋭クリエイターたちも援護する。

『街の上で』今泉力哉監督×若葉竜也 in 下北沢
4月9日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

『愛がなんだ』『his』『あの頃。』などの今泉力哉監督が贈るオリジナル脚本の物語。下北沢の古着屋で働く青年・荒川青(あお)は、恋人に浮気された上にフラれたが、いまだに彼女のことが忘れられない。そんな青のもとに、美大生の女性監督から自主映画への出演依頼が舞い込む。行きつけの飲み屋では常連客から「それは“告白”だ!」とそそのかされるが…。
ココが見どころ
『愛がなんだ』ナカハラ役で注目を集めた若葉竜也が映画初主演。朝ドラ「おちょやん」や今泉監督の『あの頃。』、松居大悟監督の『くれなずめ』などで目下、大活躍中。穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、中田青渚とフレッシュな女優陣や成田凌の友情出演、下北沢オールロケで今泉監督ワールドにひたれそう。

『ザ・バッド・ガイズ』マ・ドンソクが暴れる韓国版「スーサイド・スクワッド」!?
4月9日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて公開

凶悪犯たちの逃亡事件を受け、元警察官のオ・グタクは刑務所の服役囚たちを集めた極秘プロジェクト、"特殊犯罪捜査課"を始動させる。"伝説の拳"と呼ばれるパク・ウンチョル、天才詐欺師のクァク・ノスン、元警察官の若手コ・ユソンのチームは、滅刑を条件に凶悪犯たちを追い詰めるが、事件の背後には国家を揺るがす巨大な陰謀が隠されていた…という韓国発のクライム・アクション・エンタテインメント。
ココが見どころ
ヒットドラマの劇場版として、一昨年の秋夕(旧暦のお盆)連休期間に公開され、観客動員第1位を記録。"伝説の拳"役は本作でも豪腕を振り回すマ・ドンソク。ベテラン俳優キム・サンジュンとの再タッグに加え、新たに『ザ・キング』のキム・アジュンや「恋愛ワードを入力してください~search WWW~」で注目度上昇中のチャン・ギヨンが参加。

『スプリー』フォロワー至上主義に警鐘を鳴らすジェットコースタースリラー
4月23日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか
ライドシェアドライバーのカートはSNSのフォロワーを増やすため、乗客を“手にかける”様子をライブストリーミング配信するという恐ろしいアイデアを思いつく。絶対バズると意気込むカートだったが、「フェイクだ」「退屈だ」という反応ばかり。やがて怒りの矛先は、拡散力を持つインフルエンサーにまで向けられ…。
ココが見どころ
デジタルネイティブなZ世代の主人公を演じたのは、Netflix「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のスティーブ役で大人気のジョー・キーリー。そのサイコな演技は必見。ウクライナ出身の新鋭監督ユージーン・コトリャレンコはアクションカメラ「GoPro」やスマートフォン撮影を駆使し、ライブ感あふれる映像でリアルな狂気を増幅させる。
『SNS-少女たちの10日間-』2,458人もの性的搾取者が群がる恐怖
4月23日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館、池袋シネマロサほか全国順次公開

“12歳・女子”としてSNSに登録し“友達募集”をしたらどうなるか。巨大な撮影スタジオ内に造られた子ども部屋で女優が演じているとも知らず、なんと2,458人もの成人男性が彼女たちに卑劣な誘いを仕掛けてくる。精神科医、性科学者、弁護士や警備員など専門家がバックアップして撮影を続けること10日間。“12歳・女子”に対する容赦ない欲望の行動はエスカレート、SNSを通じた性的搾取の実態とその恐怖をつぶさに映し出していく。
ココが見どころ
SNS世代とその親たちを震撼させ、本国チェコでドキュメンタリーとしては異例の大ヒットを記録。児童への性的搾取の実態を捉えた映像としてチェコ警察が刑事手続きのために動き出すなど、犯罪の証拠ともなった大問題作が日本に上陸する。
