コロナ渦、日本でも不要不急の行動が制限され、代わり映えのない日々を過ごす方々も多いのでは？ それはまるで毎日同じ“今日”を過ごす、タイムループ映画の主人公になったかのよう。いま目にするタイムループ映画は、かつての日常を過ごしていたときとは全く違うレベルでの感情移入が味わえるかも…。今回は、そんな同じ“今日”の繰り返しの中でも、前へ進む勇気と元気をくれる映画を紹介する。
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』（2014）
隕石とともに飛来した侵略生命体ギタイによる地球侵略が進み、絶滅寸前に追い込まれた人類。戦闘経験のないケイジ少佐（トム・クルーズ）は最前線に送り込まれるも、開戦5分であっけなく命を落としてしまう。しかし、次の瞬間には出撃前日に戻る、という日々を繰り返していく。
そんな中、最強の女性兵士のリタ（エミリー・ブラント）と出会う。ケイジのループ能力が敵を倒す鍵になると確信したリタは、“戦う・死ぬ・目覚める”の無限ループの中、ケイジを別人のように鍛え上げていく。
リタ役のエミリー・ブラントは、撮影が始まる3か月前からトレーニングを開始し、マーシャルアーツ“クラヴ・マガ”、器械体操、ヨガ、ウエイト・トレーニング、トラック・ランニングなど体力が必要なことをすべて実践したそう。
『ハッピー・デス・デイ』（2017）『ハッピー・デス・デイ 2U』（2019）
大学の女子寮に暮らす自己チュー学生ツリー（ジェシカ・ロース）は、誕生日の朝、見知らぬ男のベッドで頭痛とともに目を覚ます。慌ただしく日中のルーティンをこなし夜のパーティーに繰り出す道すがら、マスク姿の殺人鬼に刺殺されてしまう。
気がつくと、誕生日の朝に戻っており、再び見知らぬ男のベッドの中にいた。その後も同じ1日を何度も繰り返すツリーは、タイムループから抜け出すため、何度殺されても殺人鬼に立ち向かうが…。
殺され続けるというなんとも嫌～なタイムプール。主演のツリー役を演じたジェシカは、バリバリのホラー映画好きだが、目と耳を手で覆って見ているそう。
そして、2021年に劇場や配信で楽しめる、タイムループ映画の新たなマスターピースとの呼び声高い作品がこちら。
『明日への地図を探して』（AmazonPrimeVideoにて配信中）
タイムループにはまり込んでいる2人の10代の若者を描く青春映画。そこから抜け出したいマークと、とどまっていたいマーガレット。見逃してしまいそうな日常の小さな奇跡を共に探していけば、同じ日が繰り返される理由を見つけることができ、そして、そのタイムループから抜け出すきっかけをつかめるかもしれない。
『名探偵ピカチュウ』や「ビッグ・リトル・ライズ」、『ザ・スイッチ』（4月9日公開）のキャスリン・ニュートンと、「アメリカン・ホラー・ストーリー」「THE PATH／ザ・パス」ほか、2021年公開予定のスティーヴン・スピルバーグ監督版『ウエスト・サイド・ストーリー』（原題）に出演が決まっているカイル・アレンというZ世代が共演。
『パーム・スプリングス』（4月9日公開）
砂漠のリゾート地、パーム・スプリングスを舞台に、妹の結婚式で幸せムードに馴染めずにいたサラ（クリスティン・ミリオティ）は、一見お調子者だが全てを見通したようなナイルズ（アンディ・サムバーグ）に興味を抱く。いい雰囲気になる2人だが、謎の老人が突如ナイルズを襲撃！ 負傷したナイルズは近くの奇妙な洞窟へ逃げ込んでいく。ナイルズの制止を聞かずサラも洞窟に入ってしまい、一度眠りに落ちると結婚式の日の朝にリセットされる“タイムループ”に閉じ込められてしまった！
しかもナイルズはすでに何十万回も同じ日を繰り返しているという。2人で過ごす無限の今日は最高に楽しいものに思えたが、明日が来ない日々は本当に大切なものを気づかせていく。果たして2人は、永遠に続く時間の迷宮から抜け出し、未来を掴むことができるのか!?
本作は、ゴールデン・グローブ賞作品賞、そしてナイルズを演じたアンディは主演男優賞（共にミュージカル・コメディ部門）にノミネート。アメリカ最大の映画批評サイト「ロッテントマト」でも94％フレッシュの支持を集めるなど話題沸騰の本作。
上記2作品のタイムループとは少々趣が違い、すでに何万回も“今日”を経験したナイルズと新たにタイムループに巻き込まれたサラは、とびっきりの“今日”を過ごしていく。
今回解禁された画像では、サラがナイルズの100万回目のお誕生日を祝うというキュートなシーン。さらに、飛行機を盗んで乗り回す（絶対にマネしないでください）など、ハチャメチャなシーンも。
“いま”見るタイムループ映画は、同じ日の繰り返し…と思われる私たちのコロナ渦の生活でもできることがある、と教えてくれるかもしれない。
『パーム・スプリングス』は4月9日（金）より新宿ピカデリーほか全国にて公開。
