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公開に先立ちワールドプレミア上映が行われた第33回東京国際映画祭では、一般観客の投票で最も多くの支持を獲得し、本年度唯一のアワードとなる観客賞を受賞したことでも話題となった本作。
今回受賞が決定した「日本映画批評家大賞」は、今年で第30回を迎える映画批評家だけの目で選んだ映画賞。
監督賞は、『勝手にふるえてろ』『美人が婚活してみたら』といった女性の生き方や恋愛にスポットを当てつづけてきた大九監督。主演女優賞は、脳内に相談役「A」を持つ主人公のみつ子に扮した女優・創作あーちすとののんさんが受賞した。
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日本映画批評家大賞は、選考理由として「誰しもの心にある“ダーク”なところを描きながらも、それを弾けるようなポップさで昇華させる。『私をくいとめて』はまさに“今“を感じさせる、クオリティの高い大九監督の代表作になったといえるだろう」、「脳内に相談役のAという存在を誕生させてしまった31歳のひとりの女性を、これほど説得力を持って演じ切ったのんの演技力は素晴らしかった」とそれぞれを評価した。
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今回の受賞に関して大九監督は「監督賞。なんと畏れ多い」と話し、「何かを作りたくて模索して、映画の道にたどり着いて以来私は、映画作りに夢中です。しかし撮りたいものが私の脳内にどれほど湧いたとて、それを形にしてくれるスタッフ、俳優がいなければ、1フレームたりとも作ることができません。私に、映画監督という立場を与えてくれる全スタッフ・俳優、そして何より、私の映画を観てくださる全ての皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました」とコメント。
のんさんも「演技をする事は私にとって生きる術で、これがなかったら自分は何者にもなれずにモヤモヤとした日々を送っていただろうなと確信しています。そんな私が役を演じて賞をいただけるのは、こんなに幸福な事はないっていうくらいに嬉しい。明日からも元気に演技に励めそうです」と喜び、「これからも楽しく、精進して参ります」と語っている。
なお、同映画祭の2020年度の授賞式は、5月31日(月)を予定している。
『私をくいとめて』は全国にて公開中、4月14日(水)DVDリリース。