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主人公ファーンを演じたマクドーマンド、デイヴを演じたデヴィッド・ストラザーン以外のノマド役に一般のノマドを役者として起用している本作。一般人を起用する手法は、ジャオ監督の前作『ザ・ライダー』でも実践した演出方法。
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メインで登場するノマドに抜擢されたのは、ジェシカ・ブルーダーによる原作にも登場したリンダ・メイとスワンキー。ほかにも劇中で焚火を囲んでノマドたちが身の上話をするシーンなどでは、ノマドたちが集まってコミュニケーションを交わすイベント”RTR(Rubber Tramp Rendezvous)”にジャオ監督自ら足を運び、ひとりずつ顔を合わせてキャスティングを決めていったそう。
『ザ・ライダー』に引き続き、プロデューサーを務めたモリー・アッシャーは「現場には静寂が保たれました。カメラはノマドに固定されたきりになります。心おきなく話ができるように、十分な時間、話しやすい環境、気遣いが用意されました。このシーンによって『ノマドランド』の核心に達することができました」とジャオ監督による徹底ぶりを振り返る。
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10年以上ノマドとして生活しているスワンキーは「この映画に出演するために、実生活の状況を少しの間、忘れることにしました。出演してよかったです。ジャオは、なんと、わたしの腕のギプスのことも映画の筋に入れてくれました。素晴らしい人でした」と、ジャオ監督に信頼を寄せ、慣れない映画の撮影を心から楽しんでいた様子。
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2度のオスカーに輝いているマクドーマンドとの共演についても「まるでわたしが有名な映画スターで、彼女がわたしの熱烈なファンであるかのようにふるまってくれました。“一緒に映画に出られてとても嬉しい”と言ってくれました。なんだか、長い間離ればなれになっていた旧友に再会したような気持ちになりました。撮影中は今までに感じたことのなかったような愛、存在意義、感謝を感じました」と、撮影チームと丁寧に心を通わせながら作り上げたことを明かしている。
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彼女たち一般のノマドたちはほとんどが本名で登場し、自身の役に実体験も盛り込んでおり、ジャオ監督に演出を付けられながら映画用のキャラクターとして演じている。
『ノマドランド』は3月26日(金)より全国にて公開。