少女漫画家・佐和子の新作漫画のタイトルは「先生、私の隣に座っていただけませんか?」。それは、佐和子の夫・俊夫と編集者の千佳との不倫現場をリアルに描いたものだった。さらに物語は、佐和子と自動車教習所の先生との淡い恋へ急展開。この漫画は、完全な創作? ただの妄想? それとも夫の不貞に対する、佐和子流の復讐なのか!? 恐怖と嫉妬に震える俊夫は、やがて現実と漫画の境界が曖昧になっていく――。
本作は、オリジナル作品の企画コンテスト「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM」(2018)の準グランプリ作品。4月スタートのドラマ「高嶺のハナさん」で監督を務める新進気鋭の映画作家・堀江貴大が、本作の脚本と監督を務める。
黒木さんが演じるのは、漫画家の早川佐和子。柄本さんがその夫で同じく漫画家の早川俊夫を演じる。突然、佐和子が「不倫」を題材に新作漫画を描くと言い出すところから動き出す本作。現実と漫画の世界、ウソとホンネが交錯する漫画家夫婦の心理戦に加え、身に覚えのある男女感のズレがユーモラスに描かれ、結婚5年目夫婦の“あるある”も大きな見どころのひとつとなっている。

黒木さんは「脚本を最初に読んだ時、漫画部分と実写映像部分の繋がり方が面白いなと思い、どういうふうな映画になるんだろうと楽しみでした。ミステリーのようにドキドキする場面もあるので、二人の漫画家の行先を是非楽しんでください」とコメントし、柄本さんは「堀江監督のホンは非常にウェルメイドで、出来上がるまでどんな映画になるのか予想のつかないものでした。そんな中切磋琢磨してできあがった映画は、想像をこねくりまわすものと仕上がっていると思います。フラットにお楽しみ下さい!」と呼びかけている。

そんな2人について堀江監督は「“佐和子”という底が知れない人間を、黒木華さんがキュートさとクールさという二面性を持って繊細に表現し、物悲しくも恐ろしくもあるキャラクターが誕生しました。そして、恐怖と嫉妬にもだえ苦しむ“俊夫”という人間を、柄本佑さんが時にカッコ良く、時にカッコ悪く、愛嬌たっぷりに演じてくれました」と語っている。
なお、本作は漫画家夫婦が主人公ということで、欠かせない劇中漫画をアラタアキと「サターンリターン」を連載中の鳥飼茜が担当することも明らかになった。
『先生、私の隣に座っていただけませんか?』は9月10日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。