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パオ・チョニン・ドルジ監督が「ブータン人の生活、人生、そのすべてが詰まっている」と語り、本作の重要なシーンで流れる伝統歌「ヤクに捧げる歌」。到着した映像では、ストーブの燃料になるヤクの糞を集めている途中、美しい声で「ヤクに捧げる歌」を歌うセデュに出会うウゲンが、「いつもここで歌を?どうして?」と問い、セデュが「歌を万物に捧げているのよ。人 動物 神々 この谷の精霊たちにね」と答える。

そして思わず、歌を教えてほしいとセデュに頼むウゲン。秘境ルナナ村から早く都会へ戻りたいと考えていた彼の中に少し変化が現れた場面となっている。
ドルジ監督は「この歌は、高地で暮らすヤク飼いの歌です。人生について多くのことを教えてくれると同時に、私たちが暮らす自然と大地への感謝も歌われています。さらに、仏教がいかなるものなのかも伝えています。輪廻転生などについても触れられているんです」と説明し、「私がこの歌を選んだのは、私たちが学ぶべき素晴らしい教訓は思いがけない場所から届く、ということを思い出してほしい、と考えたからです」とコメントしている。
『ブータン 山の教室』は岩波ホールほか全国にて順次公開中。