今までで一番“潔い”驚きのアクション
――『京都大火編/伝説の最期編』で、見ている側にとっては「もうこれ以上の激しいアクションはないのではないか…?」と思わせるくらいの激しく素晴らしいアクションを披露されていましたが、今回、それをさらに超えるアクションをしなくてはいけないということへのプレッシャーはありませんでしたか? アクション監督の谷垣健治さんとどのように話し合い、作られていったのでしょうか?
基本はやはりアクション部がどんどん新しいアイデアを出してくれて、よりパワーアップしたアクションを提案してくれたというのが一番です。例えば「『京都大火編』『伝説の最期編』で壁を走ったから次は天井を走りたいね」とか、「屋根走ったけど、走っただけだったから飛び降りるところまで一連で撮ってみようか?」とか。そういった話から始まりました。

今回のアクションは、今までで一番“潔いアクション”にしたかったんですよね。“潔いアクション”というのは、アクションシーンって“待ち”になってしまう可能性があると思っていて。人と人が戦っていて、お客さんはそれを見ているんだけど、決着するまで待っている時があると思うんですよ。「すごいなぁ」って見ているんだけど、“観てる”ではなくて“待っている”時があるんです。アクションが決着したらまた集中して見始めるみたいな。
それはやっぱり避けたいなと。そうなるくらいだったら一撃で決するくらいの方が逆に面白いんじゃないかと思っていて。練習をしながらアクションを構築していく時に「これはいらないな」って思ったことを積極的に「カットしましょう」と言っていました。そうするとアクション部が「いやいや、それだとすぐに終わってしまうから、こうしましょう」と言ってくださって、そのやりとりでより良い動きだけが残っていくんです。つまり待ちにならないための吸引力のある、観たことのない驚きのあるアクションだけ残ったと思っていて。そのようなことを目指してやっていました。
