お家時間のお供としてすっかり欠かせなくなった動画配信サービス。一人の視聴者目線だと、できれば全部のサービスに加入したいのは山々ですが、お財布事情もあり難しいところ。そこで今回は、改めてそれぞれのサービスの特徴と今後を簡単に整理! 今後どのサービスに入り続けるか検討材料としてご活用ください。
1. Netflix

ユーザー数は全世界で2億超! いまやアカデミー賞、エミー賞常連の動画配信サービスに成長し業界を牽引しています。他サービスも増えライバルが多くなったいま、Netflixは世界各国のオリジナル作品に注力するローカライズ戦略に注力。
日本では特にアニメに力を入れており、Netflixの視聴数ランキングは常に多数のアニメ作品が占めています。これはほかの国にはない傾向です。日本発の質の高いアニメは海外受けもよいため、アニメが好きな方にとっては特にお得なサービスとなりそうです。
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今年のアニメの注目作でいえば、日本のスタジオと海外クリエイターがコラボし、黒人の侍を描いた「YASUKEーヤスケー」や、『スパイダーマン:スパイダーバース』の製作陣が手掛けた『ミッチェル家とマシンの反乱』は要チェック! ちなみに、2022年以降作品についてソニー・ピクチャーズと映画公開後独占配信契約を発表。更に配信作品の幅が広がり、アニメ以外も含め引き続き幅広い層に受ける充実した作品のラインアップは続きそうです。

2. Amazonプライムビデオ

直近HBO作品の配信がなくなったことは痛い。それでもなお「ザ・ボーイズ」「マーベラス・ミセス・メイゼル」、直近ではアカデミー賞作品賞『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督が手掛けた「地下鉄道 ~自由への旅路~」や、面白さはもはや「ザ・ボーイズ」超えではと感じる新しいヒーローアニメ「インビンシブル」が高評価を得ており、オリジナル作品の質の良さは健在。

今後の最大の注目作は、1シーズンに4億5千万ドル(「ゲーム・オブ・スローンズ」の5倍)もの大金をかけて製作される『ロード・オブ・ザ・リング』のテレビシリーズ化です。また、他サービスと違い追加料金で「スターチャンネルEX」や「STARZ PLAY」、「シネフィルWOWOWプラス」などの専門チャンネルに入れるのも魅力です。特に「STARZ PLAY」で配信中の「ギャング・オブ・ロンドン」は素晴らしいので、ぜひご覧ください。物凄い迫力のアクションに度肝を抜かれます。
今後もチャンネル数が増えることは予想されるので、Amazonでのショッピング送料無料になることも考えると、コスパ的に入って損はないサービスであることは変わらないでしょう。
3. Disney+

画面を開けばピクサー、マーベル、スターウォーズなど大人気作品のオンパレードで、作品力の高さは言わずもがなピカイチです。最近は劇場公開と同時にDisney+でも追加料金を払えば、最新映画も観ることができるようになっています。
現状日本のDisney+の難点は、4K配信がない、MCUドラマの最新話が配信される際はサーバー落ちしてしまう、dアカウント作らなければならない等…たくさんあります。ただ、それでも海外と同じタイミングで、MCUの新作である「ワンダヴィジョン」「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の新エピソードが観られることは、とても嬉しい経験でした。6月からは新しいMCUドラマ「ロキ」も控えており、今後も続々と新作登場予定で目が離せません。
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また、2021年後半に上陸予定のディズニー参加であり、アメリカ版Huluの代わりとなる動画プラットフォーム「Starスター(仮)」の上陸にも注目したいところ。アメリカ版Huluで配信されている、FX、20世紀フォックス、ABC系は良質な作品も多く、日本未公開のものも多いので、ファンとしては一日も早い上陸を願ってやみません。
4. Hulu

海外テレビシリーズの中でもほかのサービスが配信していない「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」や「ホルト・アンド・キャッチ・ファイア 制御不能な夢と野心」など名作を独占配信している点は強み。特に「サタデー・ナイト・ライブ」(略称SNL)の独占配信は、アメリカのコメディが流行りにくい日本において、比較的スピーディーに最新話を字幕付きで配信しており、海外テレビシリーズ好きとしてはとても嬉しいところです。

SNLを観ると、いまのアメリカの時事ネタなども飛び出すので、より詳しくアメリカのコンテンツを知りたいなら要チェックです。こうした良い独占配信作を持ちつつも、日本のHuluは、日テレ系のサービスであり、本国アメリカのHuluとは名前は同じでも性質は異なります。配信作品も日本独自です。前述の通り「Starスター(仮)」が上陸した場合、今後どうなるのか気になるところです。
5. U-NEXT

今年春にHBO、米バイアコムCBSとの独占契約を発表し、いま日本では最も勢いがある動画配信サービスと言ってよいでしょう。海外テレビシリーズファンにとっては、高品質の作品を多数輩出するHBO最新作が安定的に配信されるというだけでも歓喜。
特に数年間待ち続けたエミー賞受賞の人気作「バリー」と「Veep/ヴィープ」の最新シーズン配信は、待ってましたと言わんばかりです。ただし、HBO作品の中でも、映画および一部のドラマは配信対象外のため、U-NEXTがアメリカのHBO Maxと同じサービスなりえるかはやや懐疑的。いずれにしてもこれまでは、他サービスよりも月額料金がやや高いことが難点でしたが、HBO作品が配信されるとなれば、コスパはかなり良くなったのではないでしょうか。また、HBO作品だけではなく、アジア系のドラマや映画、最新映画を積極的に配信するなど攻めの姿勢が目覚ましく、今後の動向に目が離せません。
6. Apple TV+
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配信作品は少ないながら「ザ・モーニングショー」「テッド・ラッソ」などは各賞でのノミネート実績があり、「フォー・オール・マンカインド」「神話クエスト」「ディキンスン~若き女性詩人の憂鬱~」は、批評家評価も高く今シーズンのエミー賞ノミネートが期待されています。

これらの作品は、Apple TV+上のサムネイルをみると、ポスターのデザインがシンプルだったりもするので、魅力を知らずに終わっている人も多いような気がしています。筆者としてはいまあげた5作品全部オススメ!と言いたいくらい熱く世の中に広めたいのですが、特段宣伝も大々的にされないので、知らない方が多いのがもったいない…。
これまで挙げた動画配信サービスの中で唯一ハードウェアメーカーであるAppleは、対象のデバイスを購入したら12か月無料という料金形態も設けており、あくまでハードウェアを売るための戦略として動画配信サービスに参入している印象。今後の新作ラインアップをみても決して数は多くはなく、量より質の戦略は続きそうです。