バラが咲き誇る季節に公開されるフランス・日本で製作された2作品に共通することとは? それぞれの主演カトリーヌ・フロと由紀さおりの魅力を、監督たちが語った。
ピエール・ピノー監督「自然な演技ができる大女優が必要だった」
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フランスで最も栄誉あるセザール賞に10度ノミネート、『偉大なるマルグリット』などで見事に2度受賞し、大ヒット作『大統領の料理人』でも知られる国民的大女優のカトリーヌ・フロ。色、形、香りと、究極の美を追求する本物のプロフェッショナルを、ユーモアと情熱を込めて演じきった。
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「カトリーヌ・フロは私の中の第一候補でした!“フランス的”なオーラを体現できる女優が欲しかったのです。優雅さ、声や個性、海外での評判、どれをとってもまさにカトリーヌは完璧でした」とピノー監督。「そしてドラマチックなシーンでもコミカルなシーンでも、自然な演技ができる大女優が必要だったのです。とても難しい役柄ですから。カトリーヌはこのすべての要素を持ち合わせていて、役柄を自分の体の中に取り込むこともできるのです。荒っぽく気楽な演技に、洗練された上品さも加えることができる。エヴというキャラクターにとって素晴らしい長所です」と語る。
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秦建日子監督「最高の歌手であると同時にコメディエンヌとしても日本の最高峰」
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「夜明けのスキャット」でデビューしてから2019年に50年を迎え、コンサートツアー、ひとり芝居など、現在も精力的に活動する由紀さおりの映画初主演となる本作は、不可能の代名詞といわれた「青いバラ」を品種改良により生み出した実在のバラ育種家の女性をモデルに、いくつになっても夢を諦めない人生の素晴らしさを描く。
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「アンフェア」の原作者にして、『キスできる餃子』『クハナ!』でもメガホンをとってきた秦監督は、「岐阜県の大野町には、世界で初めて青い薔薇を作られた育種家の河本純子さんという方がいらっしゃいます。河本純子さんの偉業によって、青い薔薇の花言葉が『不可能』から『奇跡は起きる』に変わりました。そのエピソードを聞いて私は心から感動しました」と語る。
「今回、由紀さおりさんには、その河本純子さんをモデルにした『冬子』という女性を演じていただきました。由紀さおりさんは、最高の歌手であると同時にコメディエンヌとしても日本の最高峰の女優さんだと、私はずっと憧れておりまして。なので、今回の『奇跡を起こす青い薔薇の物語』の主演は、絶対に由紀さおりさんに引き受けていただきたいと、神に祈るような気持ちでオファーをいたしました。由紀さんから『ぜひ出演をいたしましょう』というお返事を頂いた時の喜びは、今もありありと覚えています」とふり返り、「由紀さおりさんとお仕事が出来た事は、自分のクリエイター人生の中でも最高の出来事のひとつとなりました」と明かした。
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園芸家・育種家という職業の女性を描くにあたり、日・仏の両監督が主演女優を決めた理由として共通していたのは、大女優の風格を持っているだけではなく“コメディエンヌ”としての素質。まさに現在の状況のように、人生には必ず思いもよらないことがある。そんなとき“不可能”を“可能にする”には、冬子(由紀さおり)や、エヴ(カトリーヌ・フロ)のように、落ち込むことがあってもユーモアを忘れず、夢を諦めないポジティブさが大事だと2人が教えてくれる。人生はいつでも何度でも花咲くことができる、そんな人生の素晴らしさを描く2作品となっている。
『ローズメイカー 奇跡のバラ』は5月28日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。
『ブルーヘブンを君に』は6月11日(金)より全国にて公開。