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『カールじいさんの空飛ぶ家』や『トイ・ストーリー4』に参加し、初監督作の短編アニメーション『月と少年』では、アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされたカサローザ監督。『トイ・ストーリー』以降、身近にあるモノや生き物へ次々に命を吹き込んできたピクサーだが、中でも『インサイド・ヘッド』『ソウルフル・ワールド』のピート・ドクター監督は、誰も姿すら見たことのない“存在しないもの”へ姿かたちを与え、魅力あるキャラクターを生み出し感動的な物語を作ることを得意としており、カサローザ監督は、そんなドクター監督を尊敬している人物に挙げている。
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『インサイド・ヘッド』では少女の頭の中の感情を、『ソウルフル・ワールド』では生まれる前の世界を舞台にし、生まれる前の魂をそれぞれ生み出したドクター監督の感性へ強く共感を抱いているというカサローザ監督が、本作で主人公に選んだのは、故郷・北イタリアに言い伝えられるシー・モンスター。想像上の生き物であるが、ドクター監督が誰も見たことがない“存在しないもの”であっても、姿かたちを与え誰もが共感できるキャラクターを作り上げてきたように、“水が乾くと人間の姿に変わる”という性質にリアルさを感じられるように、イグアナやイカ、タコといった生き物を観察し、この物語だけのシー・モンスターを作り上げた。
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「漁師の町では海に関するミステリーがたくさんあり、“あそこには行くな。海のドラゴンが出るから”と言われたものです」とふり返るカサローザ監督は、「少年時代の僕と親友のアルベルトはどちらもちょっとはみ出し者で、負け犬のように感じていました。クールな子供ではなく、ほかの子供とちょっと違っているのを表現するために、シー・モンスターを使おうと思ったのです」とキャラクターへ込めた思いを明かす。
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そして、シー・モンスターのルカとアルベルトは、本当の姿を隠して人間の世界へ紛れ込むが、シー・モンスターと人間は、お互いに恐れあっている…というのが本作の設定。カサローザ監督は、この関係性はいまを生きる人々にも重ねることが出来るといい、「自分と違うものを“シー・モンスター”になぞらえることが出来るのではないでしょうか。人は集団の中にいるとき『自分は浮いている』と感じるものです。自分はほかと違うと感じている人達の心にこの物語が届くといいなと僕たちは思っています」とコメントしている。
『あの夏のルカ』は6月18日(金)よりディズニープラスにて独占配信開始。