森山未來と伊藤沙莉、監督の森義仁がベストセラー小説を映画化した『ボクたちはみんな大人になれなかった』プレミア上映イベントに登壇した。
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本作では、森山さんが21歳から46歳までを見事に演じ分けているが、心がけていることや難しかった点を問われると「僕の実年齢は37歳ですが、ビジュアルに関しては、本当にあの手この手を使って、こんなに顔のケアをしたのは初めてでした」と会場の笑いを誘う。続けざまに「容姿の変容も見どころのひとつですが、主人公の佐藤がどういう場所・環境に出会って、人間関係が複雑に、そして多様になっていくかの様子を観て欲しいですし、そこから“大人とはなにか”という事を観た人には考えてもらいたいですね」と見た目だけではなく、人生を歩んできた男に蓄積された何かを感じ取ってほしいと語る。
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「本作のSNSでの宣伝や『原作のかおり役は誰がやるんだ』などのご意見も陰ながら見させて頂いていました」と明かしていた伊藤さんは、「ずっとそわそわしてました。でも演じてみて、みんなの中にもかおりのようなそれぞれの存在がきっといると思いますので、そのような存在を目指して演じました」と語る。
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そんな森山さんと伊藤さんの演技は何点だったか? と森監督が問われると、森山さんと伊藤さんは同じポーズでのけぞり、体をこわばらせる息の合い方を見せる。監督は「ノーコメント!」とはぐらかそうとしたが「初監督である自分が点数をつけるなど恐縮ですが、お二人とも想像の5倍、10倍の演技力だったので、800点くらいだと思います」と2人を称える。
森山さんと伊藤さんは今作が初共演。改めて森山さんは伊藤さんについて、「初めて人を好きになった感情を手繰り寄せて演じなければいけなかったので、最初の頃は緊張していましたが、その近付いていく過程が楽しくて、とても贅沢な時間でした。まるで2人でドライブをしているような感覚でした」と、思いを述べた。
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イベントの最後に、森監督は「主人公は強者でも弱者でもなくちょうど真ん中の、普段目立たない人物像を表現しています。でもそういう人の方が世の中多いと思うので、たくさんの人に観て欲しいです」と思いを語る。伊藤さんは「主人公世代ドンピシャの人はもちろん、私のように少し世代がずれていても、同じように楽しめる。撮影も美術も衣装もメイクもいい、トータルでとても美しい物語になっていますので、皆さんの感想が楽しみです」と観客に問いかけた。
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さらに、森山さんは「1995年から2020年を駆け抜ける映画になっていて、そのなかでもコミュニケーションツールの変容が目覚ましいです。文通に始まり、ポケベル、最終的にはSNS。そして、コロナ禍までも描いている。そこには『出会いたい』『繋がりたい』と思う気持ちがあり、これは昔から変わらないものだと思います。この映画はその根源のエネルギーみたいなものが観れる作品だと思います」と語り、イベントを締めくくった。
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『ボクたちはみんな大人になれなかった』は11月5日(金)よりシネマート新宿、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほかにて公開&Netflix全世界配信開始。