『ベニスに死す』で主人公を破滅に導く少年タジオを演じて時代の寵児となったビョルン・アンドレセンの衝撃の真実を描いたドキュメンタリー『The Most Beautiful Boy in the World』。今年1月28日~2月3日に開催されたサンダンス映画祭でプレミア上映され話題となった本作が、邦題『世界で一番美しい少年』として12月17日(金)より日本公開されることが決定した。
巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督作『ベニスに死す』(71)で主人公を破滅に導く少年タジオに抜擢された、当時15歳のビョルン・アンドレセン。同作は1971年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され<25周年記念賞>を受賞、日本公開されると、1972年の「キネマ旬報ベスト・テン第1位」に選出。観る者の目を釘付けにする圧倒的な存在感で同作を強く牽引したアンドレセンは、来日してCM出演などの芸能活動も行い、日本のカルチャーに大きな影響を及ぼした。
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劇中、マンガ「ベルサイユのばら」の作者・池田理代子氏が語るのは、彼が主人公“オスカル”のモデルであったという事実。そして50年後、かつての伝説のアイコンは、日本でも大ヒットしたアリ・アスター監督作『ミッドサマー』(19)でホルガ村の老人ダン役を演じたことでも話題となった。
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映画『ベニスに死す』公開から50年の時を経てアンデルセンが語るのは、巨匠ヴィスコンティとの出会い、“世界一の美少年、タジオ”を探すために壮大な規模で行われたオーディションや映画撮影の裏側、カンヌの華やかな狂騒から来日時の熱狂まで、豊富なアーカイブ映像が浮き彫りにする傑作の裏側。“世界で一番美しい少年”と呼ばれた彼が見た天国と地獄が、いま明かされる。
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今回解禁となる日本版ポスターは、『ベニスに死す』出演のためにヴィスコンティ監督のオーディションを受けた際のアンデルセンのこちらを射るような鋭い瞳の写真が大胆に使用された。
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本作は、オスロ・ピックス映画祭、クリーブランド国際映画祭、セドナ国際映画祭などで上映され、「突然の名声が人生をどのように左右するのか真摯に伝える唯一無二のドキュメンタリー」(Vogue)、「人間の美しさは、人間力にあると教えてくれる」(Screen Daily)と評価されたほか、GuardianやTimes UKなどがハイスコアを付けている。
『世界で一番美しい少年』は12月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。