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奥平大兼『MOTHER』以来の映画出演、クルド人少女との出会い描く『マイスモールランド』

奥平大兼が、是枝裕和監督率いる映像制作者集団「分福」の気鋭の新人監督・川和田恵真の映画『マイスモールランド』に出演する。

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『マイスモールランド』 (C)2022「マイスモールランド」製作委員会
『マイスモールランド』 (C)2022「マイスモールランド」製作委員会 全 3 枚
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是枝裕和監督率いる映像制作者集団「分福」の気鋭の新人監督・川和田恵真の映画『マイスモールランド』に、『MOTHER マザー』で大きな注目を集めた奥平大兼が出演することが分かった。

本作は、川和田監督の商業映画デビュー作で、日本、ドイツ、イラン、イラク、ロシアのミックスという5か国のマルチルーツを持つ主演の嵐莉菜が在日クルド人の女子高生を演じる。演じるのは、クルド人の家族とともに生まれた地を離れ、幼い頃から日本で育った17歳のサーリャ。同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていたが、あるきっかけで在留資格を失い、家族の日常が一変…。

約2,000人のクルド人が住む地域で暮らしていたサーリャが、東京に住む日本人の少年・聡太(奥平大兼)との出会いをきっかけにアイデンティティに葛藤し、成長していく物語が描かれる。

在日外国人が、在留資格を失うと、働くことができなくなるばかりか、居住している地域を出ることができなくなる。そのため、本作の主人公サーリャは、奥平さんが演じる東京に住む聡太へ会いに行くことができなくなる。

今回解禁されたポスタービジュアルは、この日本に居ても立場によって越えられない国境が生まれることを表現し、高校生の淡い恋心が、社会によって分断されることを伝えるもの。ポスターに表記されているテキストは「マイスモールランド」のクルド語表記となっている。

『MOTHER マザー』の撮影時は、15歳だった奥平さんは、本作撮影時17歳(現在18歳)の現役高校生。演技未経験ながら、数百人の応募者の中からメインキャストの周平役に抜擢された『MOTHER マザー』で俳優デビューし、今年の第44回日本アカデミー賞新人俳優賞、第94回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第63回ブルーリボン賞新人賞、第30回日本映画批評家大賞新人男優賞など多くの新人俳優賞を受賞し注目を集め、その反響から続々とドラマ出演やCMなどに起用されてきた。

オーディションで選ばれての参加となった本作では、『MOTHER マザー』撮影時から2年ぶり(公開から1年ぶり)の映画撮影。「(俳優として)映画からはじまったという気持ちはあるので、その現場に2年ぶりに戻ってきたということで新鮮な気持ちになりました。久しぶりの映画の現場で、クランクインの直後は迷いがありました」と吐露する奥平さん。

「ドラマなどいろんな現場を経験したことで、自分の中で考え過ぎてしまったところがあって。でも現場で川和田監督とたくさんお話しして、監督が表現したいことをお聞きし理解することができたので、撮影が進んでいく中で、聡太として生きることができたと思います」と言い、「撮影前に監督とお話したことなど、僕の趣味などを脚本に反映していただくこともあって、最後のほうは演じているのかわからなくなる瞬間もありました」とコメント。本作で扱うテーマを「急に身近なこととして考えられるようになりました」とも話している。

また、是枝監督の『三度目の殺人』で監督助手、西川監督の『すばらしき世界』でメイキングを担当するなど、多くの現場で研鑽を積み、本作で満を持しての商業長編映画デビューとなった「分福」の新鋭・川和田監督は、奥平さんに対し「お芝居を見させていただき、まだ青年になりきらない、途上にいる姿が今回の聡太という役柄そのものでした」と即決だったことをコメント。「現場でも、とてもひたむきで、いつもお芝居のことを考えていた姿が心に残っています。不器用ながらも真っ直ぐな聡太という人間を、等身大で体現しきってくれたことに、とても救われました。今、この時、奥平くんを撮ることができて大変光栄です」と明かしている。

本作は企画段階で、2018年の釜山国際映画祭内にあり、映画の新企画やクリエイターを支援するイベント「ASIAN PROJECT MARKET(APM)」で、アルテ国際賞(ARTE International Prize)を受賞。難民2世という題材をベースに、世界に開かれた新しい視点で、現代日本が抱える社会問題を切り取りながら、誰もが“自分ごと”として受け入れられる普遍的な青春ドラマとして描く。

撮影は今年5月18日クランクインし、6月8日クランクアップ。日仏共同制作となり、フランスで最終の仕上げ作業を行っている。

『マイスモールランド』は2022年初夏、全国にて公開予定。

《シネマカフェ編集部》

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