ブランドン・クローネンバーグ監督最新作『ポゼッサー』の番外編ビジュアルが公開。また、解禁となった特報にはバイオレンスなシーンが盛り込まれているが、本作はその内容の過激さから、映倫により「R18」の指定を受けている。
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本作は、鬼才デヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドン・クローネバーグの、『アンチヴァイラル』以来8年ぶりとなる長編第二作。完全無欠の遠隔殺人システムのもと第三者の意識と肉体を乗っ取り、ミッションを遂行する暗殺者の女性と、肉体を乗っ取られた側の男性の攻防を、静謐と狂気の入り混じる映像美で描く。
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この度解禁された特報では、「全世界が言葉を失った戦慄のSFノワール」のテロップに続き、他人を乗っ取った主人公タシャ(アンドレア・ライズボロー)が暗殺ミッションを遂行するシーンが映し出される。遠隔殺人に必要な特殊なデバイス、肉体と潜在意識の中に深く侵入していることを思わせるカットやフランシス・ベーコンの絵画を想起させるグロテスクでアーティスティックな映像などが挟みこまれ、監督自身「刺殺シーンで刺す回数を一回でも減らしたら作品が駄目になっていた」と語るバイオレンスな殺害シーンの一部が描かれる。タシャが「脱出」と呟いた後に全身に銃弾をくらうシーンは短いながらに鮮烈だ。
タシャの子どもや彼女に意識と人格を乗っ取られる男も登場し、異常で冷徹な世界の幕開けを感じさせる特報となっている。
また、番外編ビジュアルも完成。本作の中でも特に強く印象に残る不気味な顔が大きくプリントされており、思わずぎょっとするような存在感だ。また、本作で描かれる、巨大企業による監視社会と人格崩壊を表すような、<監視による脳の制御>(BRAIN CONTROL THROUGH SURVEILLANCE.)と英語で綴られており、画質の粗さもあいまって異様で禍々しいデザインとなっている。
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第33回東京国際映画祭「TOKYOプレミア2020」部門で上映されるや否や、その容赦ない暴力描写で観客の度肝を抜いた本作は、公開にあたり映倫から「作品の主題と描写が極めて刺激が強いため、18歳未満は閲覧禁止」と、描写だけでなくテーマ性についても言及されR18に指定された。その指定も納得の、危険すぎる本作。一体どんな映画体験が待ち受けているのか、期待が高まる。
『ポゼッサー』は3月4日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。